それは、人工妖精が見せた軌跡なのか、はたまた一夜限りの奇跡なのか ── 4/28発売!!

2008年11月05日

 げっちゅブログ読者の皆様、二度目まして。ライターの中里キリと申します。前回に引き続き、8月30日〜31日に開催された“アニメロサマーライブ2008”をレポートさせて頂きたいと思います。まだご覧になっていない方は、初日のレポートを先にご覧ください。


●ニコニコ動画での生中継!
 2日目になっても、さいたまスーパーアリーナ近辺の熱気は衰えません。会場周辺はあいかわらずすごい人で、前日同様の青と黒のアニサマ2008公式Tシャツ、それからなんと言ってもJAM ProjectのライブTシャツが目立ちますね。

 客席はもちろん、2日目も超満員の大盛況。約1万8000人の観衆が集まりました。しかし2日目は、それ以外にも多くのファンがライブを同時に目にしました。ニコニコ動画の生中継システム“ニコニコ生放送”内の“ニコ道館”で、ライブの一部の生中継が行なわれたのです。そちらでの同時接続数は、先着でなんと1万人! 合計で3万人近くがライブの感動を共有する、前代未聞の規模。新しい試みも含めて、イベントのサブタイトル通りchallenge、ですね。

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2日目は、ニコニコ動画で人気のアーティストも多数参加。

 そんなわけでセットリストにも、ニコニコ動画に登場するアーティストが多く含まれています。中でも度肝を抜いたのが、トップバッターのJAM Project+美郷あきによる「思い出はおっくせんまん!」でしょう。

「思い出はおっくせんまん!」は、カプコンのゲーム『ロックマン2』のワイリーステージの音楽を元にしたもので、歌詞中で「ウールトラマン、ウールトラマン、セブン!!」なんてフレーズがあるのを見てもわかるとおり、替え歌です。初期ニコニコ動画を代表する曲とはいえ、まさかそれをJAM Projectと美郷あきさんが歌うとは!

 円形のセンターステージに下りた金属の覆いから、影山ヒロノブさん、福山芳樹さん、遠藤正明さん、きただにひろしさんら奥井雅美さんを除いたJAMメンバーと、美郷あきさんが現れて歌いだすと、場内は大熱狂! 歌っているJAMの面々も本当に楽しそうで、美郷さんも懸命に歌って、オープニングアクトにふさわしい盛り上がりでした。

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後にも先にも今ここだけ? のパフォーマンスに、会場は熱狂!

 気になる奥井雅美さんの不在については、すぐに影山さんから説明がありました。「このイベントのために奥井ちゃんがずっと忙しくしてて、ちょっと体調を崩してて。昨日は無理してステージに立ったんだけど、今日本格的に体調を崩してしまって、ドクターストップがかかってしまいました。なので本人は色んな曲をみんなの前で歌うつもりだったんだけど、今日は奥井ちゃん抜きでこのイベントをやることになりました。本人も会場の中でずっとこのイベントを見てるんで、出演者みんな、マイナス要素を跳ね返すぐらいがんばって歌おうと思ってます。なので、みんなも力を貸してくれ!!」と語ると、会場からは暖かい拍手と励ましの声が。奥井さんの不在を会場全体でカバーして盛り上げるのが、この日のテーマになったようでした。

 ステージには美郷さんが残って、そのままソロの「BLOOD QUEEN」へ。事情説明で一旦間があいたのをものともせず、堂々たるステージングを見せていました。
「アニメロサマーライブ2008、二日目です。ようこそ!! ほんとにみんな、綺麗! とても感激しています。私美郷は、このアニメロサマーライブは初出場です。デビューをして今年の11月で5年目に入るんですが、デビューしたばかりの頃、第1回のアニメロサマーライブが代々木で開催されていて、そこに見に行きました。その時から毎年見させていただいて、いつかあの素晴らしいイベントに自分も立って歌いたいとずっと思っていました。念願の、アニサマです! 本当に多くの方と皆さんのおかげです。どうもありがとうございます!」と語った美郷さんは、「このステージでずっと歌いたかった曲です。ここからリスターティングしたい気持ちを込めて歌います」と続け、デビュー曲の『舞-Hi-ME』OP「君が空だった」を歌い上げました。

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5年目にして夢のステージにたどり着いた美郷あきさん。

 続いて登場はELISAさん。「euphoric field」の透き通った歌声で会場を聞き入らせます。「こんにちは、初めまして、ERISAです。日本ってこんなに人間がいるんですね。今歌ったのは『ef - a tale of memories.』の主題歌になった曲で、私のデビュー曲です。皆さんの反響を頂いて、アニメロサマーライブでこんなにも素晴らしい形で歌わせて頂きました!」と挨拶。さらに『隠の王』ED「HIKARI」で新人離れした歌唱力を見せつけたのでした。

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新人らしからぬERISAさんの説得力。18,000人に、最高の名刺代わりになったはずです。

 ここからは、ガラっとイメージが変わり、独特の存在感を持ったグループが続きます。まずはドメスティック・ラヴバンド! 独特のリズムと共にスクリーンに「家族愛」「家族愛」「家族愛?」の文字列が何度となく表示され、ステージ上をフードつきのローブをすっぽりとかぶった人影が大勢歩いていきます。これは、なんなのか……と疑問が最高潮に達したところで、スクリーンにはドメスティック・ラヴバンドの文字が!

 ボーカルの家庭内愛子さんは拡声器を手に取ると、「ついにアタイたちの出番がやってきたぜぇぇ。今夜、こんな大きなステージに立てて、アタイたちは、本当に、幸せ者だぁぁ。どこのどいつが来てるのか知らねぇが、今夜がお前らでよかったと思ってる。さいたまー!(メンバー:さいたまーさいたまー) スーパーアリーナー(メンバー:スーパーアリーナースーパーアリーナー)!」と叫び、1曲目の「ハッピー・マテリアル」へ。
 アレンジをたっぷり加えた“ドメラバstyle”に、客席も大いに盛り上がりました。「今夜お前らに、言っておきたいことがある。聞きたいか? 教えてやる。アタシたちは、angelaじゃ、ねーぜ! 自己紹介をしたい。アタシたちが! ドメスティック・ラヴ・バンドだ! デビューして4ヶ月でこんなステージに立てるのも、アタイたちの、実力だ!! 最後はアタイたちの尊敬するangelaの曲をカバーしてやっても、いいんだぜ?」と煽ると、歓声の中2曲目の「Shangri-La」へ!!

 angelaを尊敬する家庭内愛子さんだけあって、歌いだしの朗々とした独唱は、angelaのatsukoさんと同一人物であるかのようにそっくり。ですが曲に入ると、そのアレンジはまさにドメラバstyle。サビでは再び強烈に伸びるangelaらしさを覗かせながらも、原曲とは全く違った魅力を見せてくれました。

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印象的な「家族愛」連呼であやしげな雰囲気を作り出したドメラバ。しかしステージアクトは本格派!

 続いて登場は幻想楽団・Sound Horizon。1曲目、「朝と夜の物語」でまずはその世界を存分に見せ付けると、RevoさんのMCへ。

「ありがとう、Sound Horizonです! すごいですね、元気ですか、さいたまスーパーアリーナ! 昨日こっそり見ていましたが、すごい盛り上がりですね。負けないようにがんばりますので、みんなももりあがってください! Sound Horizonはメンバーがいっぱいいるので、呼んでもいいですか?」と呼び込んで、フルメンバーが登場! 「アルバムの発売が延びたので、本日が初披露になります!」という、アルバム『Moira』収録曲「奴隷市場」と、「聖戦のイベリア」シリーズ3曲をメドレーにして披露。
 色とりどりの衣装の6人の歌姫が次々に入れ替わりながらボーカルを務めます。その他のメンバーも、センターステージから黒人DJのアイク・ネルソンさんが腕組みで登場してそのまま何もせず消えて行ったり(後でちゃんと見事な英語ラップを披露)、紋章旗を振るったりと、歌だけではなく舞台全体を使ったパフォーマンスを見せていました。

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歌姫やメンバーをズラリと並べ、ライブの世界観の一端を見せてくれたSound Horizon。

 個性派グループのトリを務めたのは、黒薔薇保存会! まさかAice5が解散して黒薔薇がアニサマに出場するとは誰も思わなかった、エロビジュアル系天使バンドが満を持しての登場です。

 昔のテレビの砂嵐風画面に黒薔薇保存会のロゴが表示され、会場が早くも大歓声に包まれる中、スクリーンとナレーションが連動します。「ギター&シャイボーイ O.Y.K.T」「コーラス&言葉責め ゼメエル」「エンジェルダンス&楽器弾けない人 MA様」「ベース&食いしん坊 エルエル」「ドラムス 募集中」「ボーカル 10万17歳 VIMS(所属事務所) 天使の二の腕 ほっちゃんじゃないよ ほっちゃんじゃないよ ユイエル!!」とそれぞれのメンバー紹介をしたところで、センターステージにユイエル登場! 「いくよー、さいたまー!」の煽りと共に「花火」と「満天プラネタリウム」を歌い上げます。「満天プラネタリウム」の「ウォッオーオッオー」と続くかけあいは、実に大会場向きで盛り上がりますね。

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ユイエル以外はスタッフ・関係者としての顔をも持っているは思えない、息の合ったダンス。

「皆さん、今晩は! 黒薔薇保存会です。アニサマの真夏の祭典に、うっかり冬服の衣装で来ました! というわけで、かなり暑いです。それじゃあもう一曲いきたいんですけど……」というところで、ミニコントが開始。詳しいやりとりは下の囲みを見てほしいのですが、トイレに行ったお客さんたちを呼び戻すため(実際にはそうした観客はほとんどいませんでしたが)、『いぬかみ!』主題歌「ヒカリ」を黒薔薇verで披露!! 珠玉の三曲と小芝居で、客席をエロビジュアル系の世界へいざなっていました。

 せっかくなので、エンジェル放送作家MA様渾身の小芝居をなるべく全文紹介しておきます。

MA様「ちょっと待つザマスよー! やっばいなぁもう。黒薔薇保存会、アニメロサマーライブで、滑ってるザマスよー!!」
ユイ「そんなことないよ! 皆さん知らないなりに盛り上がってくれてるじゃない。ありがたいことだよこれ」
ゼメ「私、見たんです。あっちの方のお客さん100人ぐらい、黒薔薇が始まった瞬間、一斉にトイレに行ったんです」
ユイ「わたしたちトイレ休憩ね!」
MA様「トイレに行った人たちを呼び戻すために、急な話で申し訳ないんだけど、なんか重大発表して」
ユイ「じゃあ、今まで皆さんに内緒にしてたことをお話したいと思います。実は、黒薔薇保存会のユイエルは……声優の堀江由衣なんです!!」
MA様「……みーんな知ってるよ? ここにいる全員がなんで堀江由衣で出ないのって思ってるよ」
ゼメ「ちょっと、他に!」
ユイ「他に……ん、黒薔薇保存会、三枚組のアルバム出します!(大歓声)」
MA様「出す予定ないしーーーーーーー!!」
ゼメ「なんでそんなウソを言うのよ!!」
ユイ「そろそろ私の頭の中では出すタイミングかなって」
エル「ユイエル、このままじゃやばいっすよ。俺らこのままじゃスターチャイルドに帰れないっすよ。ユイエル、あれをやるしかないんじゃないですか?」
ゼメ「トイレに行ったお客を呼び戻すには、あれしかないわね。O.Y.K.Tも準備はいい?」
OYKT「(コクリ)」
MA様「こうなったら予定通りあれをやるしかないわ。でもあれをやるには人数が足りないの。私の愛弟子、エンジェルダンス隊、カモン! この子たちは私ほどじゃないけど、相当なダンスの腕前よ」
ユイ「確実にエンジェルダンス隊の方がうまいと思いますから。エンジェルダンス隊の皆さんも参加してくれるということで、これから、皆さんがもうちょっと知っているかなって曲をカバーしたいと思います。それでは聞いてください、ヒカリ!!

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ラストはエンジェルダンス隊も交えてキメッ!

 そして、ここからは秋葉原タイム。続いては桃井はるこさんの登場……なのですが、諸般の個人的事情により、モモーイとアイマスの面々に関しては、別記事で特集させて頂きます。

 というわけで、“モモーイ劇場”というべき流れから、そのままMOSAIC.WAVのパフォーマンスに続きます。ステージではみ〜こさんとかやぴーさんはもちろん、影のリーダー・小池雅也アニキもギターとしてサポート。「改めましてMOSAIC.WAVです! 私み〜こです!」「MOSAIC.WAVのかやぴーです!」との2人の自己紹介に続き、小池アニキも「元UNDER17、いえまだUNDER17で、MOSAIC.WAVの影のリーダー小池雅也です」と少し照れながら自己紹介。み〜こさんの「MOSAIC.WAVはアニメとかゲームとか、京都の太秦戦国時代村の曲とかをやってるんですが、その中から今日は厳選した曲をお届けするので、楽しんでください!」というフリから、「最強○×計画」、そして「ガチャガチャきゅっ〜と・ふぃぎゅ@メイト」へ! 現在進行形の電波ソングの代名詞といっていいMOSAICだけに、客席の盛り上がりは最高。完全にモモーイの世界になった会場を、きっちりとMOSAICワールドに染め直していたのはさすがの一言です。

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短い時間でも世界観と物語を見せることにかけては、MOSAIC.WAVは流石のひとこと。

 桃井さんが登場したあたりから、いよいよニコニコ動画での生中継が始まったこともあり、ここからもニコニコタイムというべき曲が続きます。まずはave;new feat.佐倉紗織が“きしめん”こと「true my heart」から「Iris」「ラブリー☆えんじぇる!!」をメドレーで披露。このあたりの流れは、1万人でコメントを入れながらの生中継も楽しそうだな、と会場からも中継組がちょっとうらやましくなりますね。佐倉さんはファニーボイスで「こんばんは、ave;new feat.佐倉紗織です! 今日は、こんな大きなステージに立って皆さんにお会いできて、ほんとにほんとに嬉しいです! アニメロサマーライブ2008、みんなでもりあがっていきましょう!」と語っていました。

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佐倉紗織さんの背後に「きしめ〜〜〜〜〜ん!!」の大弾幕が見えたのは自分だけではないはず。

 そして次のmikoさん(IOSYS)による「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」のイントロで、会場の空気はふたたび沸騰。ニコニコ系で人気の楽曲の認知度の高さ、反応のよさは驚くべきものがあります。おなじみの動画と共に、あの高速連呼ボーカルを澱みなくこなすmikoさんには本当に脱帽です。

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mikoさんは定番の『魔理沙』をバックに熱唱。

 しかし客席の反応のよさという意味では、やはり次の曲にかなうものはありません。ゲーム『AIR』OP「鳥の詩」…そのイントロが流れた瞬間、すでに涙を流している人が客席に見えました。この楽曲、そしてLiaさんのボーカルの壮大さが、この会場ほど似合う場所もないでしょう。初日のSuaraさんの時にも感じましたが、遮るもののない会場で、会場の後方、上方へとどこまでも伸びていく歌声が染み渡るようでした。この楽曲の説得力のあとに、過分な言葉は無用。「皆さんどうもありがとう、最後まで楽しんでください、Liaでした。ばいばーい!」とだけ話し、さわやかな余韻と共にステージを降りていったLiaさんでした。

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やはり「鳥の詩」は一度でも『AIR』の作品に触れた人間には特別な響きがあります。

 中村繪里子・今井麻美・たかはし智秋・下田麻美 from THE IDOLM@STER(別記事で特集します)のステージを挟み、続いての登場は、福山芳樹さんです! 曲はもちろん、『武装錬金』OP「真赤な誓い」!! 3月のライブでは鎖骨が折れてもギターを弾いたロックな男が、万全の体調で登場。「真っ赤なぁ誓いぃぃぃ!!」で会場を燃え上がらせたのはもちろん、間奏ではすさまじいギターテクを見せつけてくれていました。このようなステージにぶつかるとテキストの無力さを感じますが、とにかく最高に熱い、燃え上がるようなステージングでした。

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説明は無粋、感じろ! という感じの、燃え上がるような福山さんのステージング。

 そして間髪いれず現れたのが、May'nさんです。「さいたまスーパーアリーナ、May'n on stage!!」と叫ぶと、『マクロスF』ED「ノーザンクロス」へ。開口一番の叫びといい、そこから紡がれる歌声といい、正直な感想は、「なんだこの18歳は!?」いうものです。とにかく、所作のすべてが自信にあふれ、このさいたまスーパーアリーナが彼女の庭であるよう。そして、この観衆の数と巨大なステージを心から楽しんでいることが、本人の姿からありありと伝わってくるのです。May'nさんをライブで見るたびに感じることですが、ライブでの彼女の歌声のパフォーマンスと圧倒的な存在感は、明らかにCD音源のそれを超えています。会場の針が振り切れたような歓声が、それに対する答えでしょう。

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その歌声、ステージングには熟練の香りすらするMay'nさん(18)。

 ここからはMC。「皆さん今晩は、May'nです! ありがとう。今日は1万8000人のお客さんということで、自分のこと見えてないんじゃないって思ってるかもしれないけど、ほんとに見えてるから! みんなのその笑顔と、その光と、その応援を、楽しむためにMay'nはここにやってきました! アニメロサマーライブ2008 -cChallenge-、今回初出場なんですが、私もほんとに前から楽しみにしていて、みんなとね、一緒に夏の思い出を作れるのが本当に嬉しくて。18歳の夏、みんなと楽しめること、ほんとに嬉しく思います! みんな一人一人に日常いろんなことがあると思うんだけど、今日はそのこと全部忘れて、明日からのみんなのパワーになれればなと思うので、今日一日、私は頑張って歌います。よろしく!! それでは次の曲に行く前に、みんなの声を聞かせてください!」と語ると、自ら「May'n! May'n!」コール、そして、「射手座! 射手座!」コールを呼び込んでいきます。抑揚をつけながら徐々に盛り上げていき、そして会場のテンションがはっきりと高まった、最高のタイミング。そこですぅっと客席の注目を集めて、「ラスト。射手座☆午後九時、Don't be late」。──鮮やか!!

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マイクを握り、最初の一音を発する瞬間に何か、が下りてきたようにすら感じます。

 タイミングから言い方まで全てが、決まりすぎなほど決まります。会場が「もってっけー!」「とんでっけー!」で最高に盛り上がったのは言うまでもありません。そして完璧な歌唱の合間にも、バランスを崩さずに「行くぜ!」「一緒に!!」と客席に合唱を煽ったりするんです。本当に楽しそうというか…やはり、“銀河の歌姫”に、大会場のプレッシャーは無縁なのかもしれません。あるいはそれさえも、楽しみに変えてしまえるのでしょう。

 続いて、荘厳なイントロと共に現れたサイキックラバーは、センターステージに躍り出て『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』OP「Precious Time,Glory Days」を熱唱。センターステージを暴れまわるYOFFYさんと、それに負けないぐらい暴れるIMAJOさんのギターテクを見せつけていました。

「WE ARE サイキック・ラバー! 今日は元気ですかーッ、どうもありがとー! 改めまして自己紹介をしたいと思います。アルフィー、パフィー、ちょっと違う。ミッフィーなんて、とんでもない。YOFFYです!」「ジョーです」と自己紹介。アニサマ今年のテーマ“Challenge”にちなんで、客席に右手で“C”を作らせたりと、とにかく勢いで盛り上げていました。最後は「何を隠そうサイキック・ラバーのサイはさいたまのサイです! みんなはサイキック・ラバーのラブソングって聴いたことないんじゃないかな。これだけ盛り上げてバラードを歌うサイキック・ラバーのチャレンジ、聴いてくれよ」と笑いを取って、「鼓動〜get closer〜」をしっとりと、しかし熱く歌い上げたのでした。

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わりとどうでもいいトークで客席を盛り上げ、笑わせるYOFFYさんと、寡黙にギタープレイを見せるIMAJOさん。

 そして、この日の参加アーティスト中、もっとも軽やかにステージを駆け回ったんじゃないか、と思えたのが、次の平野綾さんです。「LOVE★GUN」冒頭の電子音声と特徴的なイントロに会場が盛り上がる中、走って登場すると「ヘイ! ヘイ!」「もっともっと!」と客席を煽る煽る! 全力疾走過ぎてカメラが追いきれないほどです。あれだけ走りながら、激しいロックナンバーを歌えることには驚かされました。

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ステージ中を所狭しと駆け回った平野綾さん。

「まだ元気! みんな疲れないね、すごい! 昨日は3階からこのステージを見ていて、本当に感動して、本当にみんなかっこよくって。もっともっといいものを作りたいと思ってがんばってるんですが、みんな楽しんでますか! こんなすごいところで歌ったの初めてで、息が上がっちゃってます。私はアニサマ3回目なんですけど、ゲストじゃない参加は、初参加です! 一昨年が「ハレ晴レユカイ」でこういうの(フリの一部を披露)を踊って、去年は「冒険でしょでしょ」のアニサマバージョンを歌って。その時はまだ「LOVE★GUN」は出てなかったんです。それからコツコツ作ってきて、先月アルバム『RIOT GIRL』が出ました! 早くライブやりたいと思ってたら、10月にツアーが決まりました。今もこうやってみんなと楽しめるのが本当に楽しいです! つんく♂さんとのコラボCDも作っていて、シングルもたくさん出ると思うので楽しみにしてください!」と語ると、2曲目「Unnamed world」へ。待望のライブに向けて、これが平野綾の目指す音楽だ、ということがはっきり伝わってくるパフォーマンスでした。

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一番元気なのはステージの平野さんの方でした。その元気さとエネルギーはステージラストまで変わらず。

 さてライブもいよいよ終盤戦、石川智晶さん、米倉千尋さんの実力派ソロシンガーが、ガンダムつながりで続けて登場です。

 先に登場したのは石川智晶さん。特徴的で耳に残るサビが人気の、『ぼくらの』OP「アンインストール」で客席をがっちりと掴みます。会場の盛り上がりに石川さんも「なんか、みんないい人に見える。すごい楽しい。最近こんなに優しくされてないわ。ずっと裏でテレビ見てて、みんなMC言われちゃって言うことないんだけど…夏が終わって、このアリーナが終わったらいろんなことがあると思いますけど、絶対に、生きてくださいね!」と語っていました。さらにここで「石川さん新曲行きますよ。何度も何度もがんばった曲です。10月から放送される『機動戦士ガンダム00』のEDです。聞いてください」と、新曲「Proto type」へ!

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『機動戦士ガンダム00』新EDを歌うことを電撃発表した石川智晶さん。

 さらりとされた重大発表に驚く間もなく、会場は再び石川さんの世界に包まれたのでした。ここで石川さんが「もう一曲行っちゃおうかな。今日ずっと楽屋が一緒で、私も尊敬する女性を紹介します。米倉千尋さん、ちっひー!」と呼び込んで、米倉千尋さんが登場。「何つながりかわかる?」と聞くと、会場全体から「ガンダム!」の声。そして曲は、See-Sawとしての石川智晶さんの「あんなに一緒だったのに」と、米倉千尋さんの「嵐の中で輝いて」のメドレーによるコラボレーション! もちろんお互いの歌を歌うパートもありますが、石川さんのサビに米倉さんがハモりをいれたりとなんとも贅沢です。双方実力派ですが、声質や歌い方にかなり個性のある2人だけに、コラボも非常に映えますね。そしてそのままの流れで、米倉さんのステージへ。

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二人とも実力派のベテランだけあって、米倉さんと石川さんは非常にバランスが良かったです。

「私米倉、2年ぶりにアニサマに帰ってきました!」と、『ガンダム第08小隊』シリーズから「永遠の扉」を歌った米倉さんはMCへ。「今回のアニサマのテーマ、みんな覚えてるよね? (一斉に答える客席に)みんないいコたちですのう。私にとってのチャレンジってなんだろうなって考えてみたのね。私にとってのチャレンジは、歌い続けるってことなのね。今こんな風に拳振り上げて歌ってるけど、昔は恥ずかしがりやで、でも自分を変える勇気がなくて。思い悩んでた私が歌と出会って、その時にシンガーになりたいって夢を持って、それから歌手になるために自分を変えるチャレンジが始まりました。それは大変な道のりだけど、それがあるからこうして皆の前に立って、夢の舞台で歌うことができました。チャレンジって、夢に向かう一歩なんだと思います。このチャレンジってテーマを、ぜひみんなに心に刻んでほしいと思います。そして音楽を通して、私はたくさんの仲間たちと、こんなにたくさんのみんなと出会うことができました。それが、何よりの宝物です。大切な皆さん、一人一人にこの曲を贈りたいと思います」。かみ締めるように語って、曲は「FRIENDS」。聞き終えた会場は、暖かい拍手に包まれていました。

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ソロシンガーの最後を堂々と飾ったちっひーこと米倉千尋さん。

 そして2日間に渡るアーティストたちの共演を締めくくるのは、あの男たちしかいません。“NO BORDER”のテーマを込めたメッセージ性の高い映像が流れ、会場にぴんと緊張の糸が張り詰めたところで、満を持してJAM Projectが登場。曲はもちろん、「No Border」!

 登場した影山ヒロノブさんの右腕には、大きく“奥井”の文字が書かれています。3月のライブ以降松本梨香さんがJAM Projectでの活動を休止していることもあり、この日のJAM Projectには女性ボーカルが不在。どうするのかと思いましたが、遠藤正明さんと福山芳樹さんが高い音域の声で代わりを務め、声量の必要なところは2人で声を重ねるなど工夫をしていました。こんな風に即興的に仲間の不在をカバーできるのも、JAM Projectならではでしょう。そして、影山さんが「奥井のパートはみんなに任せたぜ!」と叫ぶと、会場も俺たちに任せろとばかりに絶叫。その熱さと連帯感が胸に迫る中、「Rocks」をステージと会場がひとつになって歌います。会場のどこかにいた奥井さんも、想いはひとつだったはずです。

「JAM Projectです!! 今日も間違いなく出演者最年長だと思います!」と語った影山さんを先頭に自己紹介をしますが、4人目の福山さんは「福山芳樹です!! …さびしいな」とぽつりと漏らします。ですが、「これもJAMです。こういうトラブルがあってもちゃんとやり遂げるこいつら3人が素晴らしいと思います!」と影山さんが語ると、会場は大きな拍手に包まれました。ここで影山さんから語られたのは、世界に浸透した日本のアニソンの素晴らしさ。「今間違いなく、世界のアニソンの中心はここです。いろんな人がここに来てくれてる中の一生懸命歌ったアーティスト、それから応援してくれたみんな、本当に最高だーッ! 最後にもう一曲、俺たちと燃え尽きてください!」との叫びから、曲はもちろん、「SKILL」!!

 イントロから会場は完全に出来上がったムード。歌いだしの叫びから絶叫モードです。そしてメンバーがとにかく弾ける! 影山さんと福山さんも跳びまくりますが、それ以上に張り切っていたのがきただにひろしさん。ダニーソードでアリーナを切り裂き、そしてジャンプが高すぎる! 遠藤さんも奥井さんパートを必死でこなしながら弾けます。恒例のエンドレス“MOTTO! MOTTO!”でどこまでもテンションを上げ続け、完全燃焼の内にJAM Projectのステージは幕となったのでした。

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奥井さんの不在を感じさせない、JAM Projectのパフォーマンスでした。

 ステージのラストは、もちろん2日目登場アーティストたちがズラリとステージ上に並びます。長老影山さんとMCを務めるのは、奥井さんのピンチヒッターである米倉千尋さん。奥井さんとは、かつてユニット「r.o.r/s」を組んだ仲。米倉さんの提案でまっくん(奥井さんのニックネーム)コールを行ない、「奥井さん、聞こえてるかー!!」と叫ぶと、会場の心はひとつになっていました。そしていいムードを保ったまま、アニサマ2008テーマソング「Yells 〜It's a beautiful life〜」で、一旦ステージは幕。しかし万雷のアンコール(とMOTTO! MOTTO!コール)に応えて、すぐにTシャツに着替えたフルメンバーが「OUTRIDE」の壮大なイントロとともに再登場。

 初日にも思いましたが、やはり全員でテーマソングを熱唱するラストこそが、アニサマならではの華。May'nさんのボーカルパートを盛り立てる影山さんと平野さん、THE IDOLM@STERの面々と一緒に歌うきただにひろしさんなど、ありえない顔合わせが続出。中でも黒薔薇保存会とドメスティック・ラヴバンドが入り混ざって盛り上がっているのはものすごい絵でした。ステージは、全員で「Challenge」の「C」を作ったりと、最後まで本当ににぎやか。

「本当に最高です! 昨日とやってきたけどあっという間でした。一年一年やってきたけど、ほんとにファンの皆が支えてくれたおかげだと思います。ほんとにサンキュウ!」との影山さんの言葉が、会場の全員の想いだったと思います。最後は会場に集まったファンたちへの感謝を込めて、もう一度「Yells 〜It's a beautiful life〜」を歌い上げたのでした。

 締めの言葉として、「どれだけみんなの元気の素になってるかを知って、自分たちの仕事、音楽を作ることの素晴らしさを再確認しました。これからも音楽を作っていきます。どうぞ応援してください、そしてアニサマをよろしく! 心からみんなありがとう!」と語った影山さん。全員が手をつないでお辞儀をした真ん中、影山さんと米倉さんの間には、奥井さんの分の隙間が空いていたのでした。奥井さんの欠席を埋めるために、よりひとつになったアニサマですが、来年こそは笑顔の奥井さんを加えた形で締めくくる姿が見たいと祈りつつ、2日間、10時間近くに及ぶライブは幕を閉じたのでした。

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イベントはこれで大団円! …なのですが、レポートはモモーイ&アイマス特別編に続くのでした。どっとはらい。

[取材・文/中里キリ]


◆“アニメロサマーライブ2008 -Challenge-” 31日セットリスト
01 思い出はおっくせんまん!/JAM Project+美郷あき
02 BLOOD QUEEN/美郷あき
03 君が空だった/美郷あき
04 euphoric field/ELISA
05 HIKARI/ELISA
06 ハッピー☆マテリアル[ドメラバstyle]/ドメスティック・ラヴバンド
07 Shangri-La[ドメラバstyle]/ドメスティック・ラヴバンド
08 朝と夜の物語/Sound Horizon
09 奴隷市場/Sound Horizon
10 聖戦のイベリアメドレー/Sound Horizon
11 「花火」〜「満天プラネタリウム」(メドレー)/黒薔薇保存会
12 ヒカリ(黒薔薇ver.)/黒薔薇保存会
13 Feel so Easy!/桃井はるこ
14 LOVE.EXE/桃井はるこ
15 天罰!エンジェルラビィ/UNDER17(桃井はるこ+小池雅也)+MOSAIC.WAV
16 最強○×計画/MOSAIC.WAV
17 ガチャガチャきゅっ〜と・ふぃぎゅ@メイト/MOSAIC.WAV
18 「true my heart」〜「Iris」〜「ラブリー☆えんじぇる!!」(メドレー)/ave;new feat.佐倉紗織
19 魔理沙は大変なものを盗んでいきました/miko(IOSYS)
20 鳥の詩/Lia
21 「GO MY WAY!!」〜「キラメキラリ」〜
「relations」〜「エージェント夜を往く」〜
「Do-Dai」〜「蒼い鳥」〜「GO MY WAY!!」(メドレー)
/中村繪里子・今井麻美・たかはし智秋・下田麻美 from THE IDOLM@STER
22 THE IDOLM@STER
/中村繪里子・今井麻美・たかはし智秋・下田麻美 from THE IDOLM@STER
23 真赤な誓い/福山芳樹
24 ノーザンクロス/May'n
25 射手座☆午後九時Don't be late/May'n
26 Precious Time,Glory Days/サイキックラバー
27 鼓動〜get closer〜/サイキックラバー
28 LOVE★GUN/平野綾
29 Unnamed world/平野綾
30 アンインストール/石川智晶
31 Proto type/石川智晶
32 「あんなに一緒だったのに」〜「嵐の中で輝いて」 ^米倉千尋+石川智晶
33 永遠の扉/米倉千尋
34 FRIENDS/米倉千尋
35 No Border/JAM Project
36 Rocks/JAM Project
37 SKILL/JAM Project
38 Yells 〜It's a beautiful life〜/アニサマ2008出演アーティスト

〜アンコール〜
EN-1 OUTRIDE/アニサマ2008出演アーティスト
EN-2 Yells 〜It's a beautiful life〜
/アニサマ2008出演アーティスト +ミュージシャン
終演後BGM ONENESS

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(C)Animelo Summer Live 2008/DWANGO
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■関連サイト
アニメロサマーライブ2008 -Challenge-
中里キリのブログ「狐汁」


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