2012年08月08日

さまざまなPCゲーム楽曲を歌ってきた、声優・アーティストの榊原ゆいさんによる8thアルバム「Fractal(フラクタル)」が8月29日(水)に発売します。
今回のアルバムにはオリジナル曲3曲の他、多数のPCゲーム楽曲のフルバージョンを収録。初回限定盤には特典として表題曲の「Fractal」ミュージックビデオ&2011年に中野サンプラザにて開催された「Happy☆LOVE×ライブ2011」のダイジェスト映像(4曲)を収録したDVDが付いてきます。
こちらの発売に先駆け、榊原ゆいさんよりお話を伺って参りましたので、ぜひご覧くださいませ。
◆榊原ゆい8thアルバム「Fractal(フラクタル)」
発売日:2012年8月29日(水)
価格:初回限定盤 3,990円(税込)/通常盤 3,150円(税込)
収録曲:
01.Fractal(新曲)
02.Scarlet (PCゲーム「DRACU-RIOT!」主題歌)
03.恋愛0キロメートル(PCゲーム「恋愛0キロメートル」主題歌)
04.れっつごー!Modulation(PCゲーム「絶対可憐!お嬢様っ」主題歌)
05.pipipi☆STRIKE! (PCゲーム「ひよこストライク!」主題歌)
06.大江戸小町(PCゲーム「あっぱれ!天下御免」イメージソング)
07.真夏のCielo (PCゲーム「恋するコトと見つけたり!」主題歌)
08.秘密仕掛けのapple(PCゲーム「キミとボクとエデンの林檎」主題歌)
09.Sun shower(新曲)
10.黒い花(PSPソフト「ひぐらしの哭く頃に雀」主題歌)
11.Jubilus (PSPソフト「Dies irae」主題歌)
12.煌めき一閃(PCゲーム「あっぱれ!天下御免」主題歌)
13.LOVE☆FIRE!(新曲)
14.ラブこんぷ! (PCゲーム「花咲く乙女と恋の魔導書」主題歌)
15.evolution(MMORPG「トキメキファンタジーラテール」イメージソング)
初回限定盤 特典DVD収録内容
01.「Fractal」Music Video
02.「Fractal」Making
〜「Happy☆LOVE×ライブ2011」より〜
03.「Blue mind」(PCゲーム「時を奏でる円舞曲」)
04.「my only prince」(PCゲーム「廻り巡ればめぐるときっ!?」)
05.「Eternal Destiny」(PCゲーム「夜明け前より瑠璃色な」)
06.「TREUE」(ゲーム「スーパーロボット大戦OG」レオナ テーマ曲アレンジ)
◆榊原ゆい「Fractal(フラクタル)」インタビュー
―それではよろしくお願いします。今回アルバム「Fractal」が発売ということですが、もう8枚目のアルバムになるんですね。結構な数の曲を毎年歌われていますよね。
榊原さん よろしくお願いします! 1年に1枚のペースでアルバムを出させていただいているんですが、この中に収録されていない楽曲もあるので、そう考えると毎年、改めて相当な数を歌わせていただいているんだなって思います。
―「Fractal」ではオリジナル曲を3曲新たに録り下ろしているということで、まずはそれぞれの新曲についてお伺いしていければ。
・新曲「Fractal」について
榊原さん 表題曲の「Fractal」はMVにもなっているんですけど、アルバム全体のテーマでもある“和”が前に出ている曲です。“和”でロックをやりたいというのは以前から言っていたんですけど、ついに実現しました。去年のPCゲームタイアップ曲で“和”のテイストがある曲、作品が多かったのがきっかけでもあるんです。
私の座右の銘でもある「変わらず、変わる」ということを詞に乗せながら、進化していくことを歌ったロックな曲になっています。
―「変わらず、変わる」というのは意味深な言葉ではありますが、進化した部分というと?
榊原さん 1年毎にアルバムを出させていただく中で、もちろん私の中で成長をしている部分もありますし、ファンのみなさんのことを思う気持ちも年々形になっていってます。今回、改めてアルバムにまとめさせていただくことで色々なお仕事をさせていただいていることを実感したんです。歌もそうですし、収録させていただいた歌のゲームでもほとんどメインヒロインを演じさせていただいているんですよ。そのうえ、作詞・作曲の部分も任せていただいていて、並べてみると「こんなにお仕事をさせていただいているんだ」と。声優だけでもなく、歌手だけでもなく、作り手としていろんなことをさせていただいている“2012年の私”。みなさんにチャンスをいただきながら、いろんな形で作品を出す場を与えていただいているんだなって思うと、やっぱり人とのつながりも進化していて。今回のアルバムで特にそう感じました。
―新曲では榊原さんが作詞をされていますが、そういった想いが表現された詞になっているんでしょうか。
榊原さん そうですね、アーティスト本人の言葉が一番伝わるかなと。その想いはオリジナル楽曲の時に特に大切にしています。
最初は「Fractal」を妖艶な方向に振ろうかなと思ったんですけど、一緒に制作したスタッフとも相談して「もっとメッセージ性のある方向にしてもいいんじゃないか」ということになりました。“和”であり“ロック”なんだけど、そこに自分を出してみるのも良いかなと。なので日本的なイメージが浮かびながらも、私の中の気持ち、言葉を込めて「華を咲かせましょう」と。行き着くところは“進化”、前を向いて進む力強さに結びつく歌詞になってます。
・「Sun shower」について
榊原さん こちらは「Fractal」とは全然違って、今時っぽい感じのちょっと暖かいバラードに持っていきました。ドラムのキックの音が前に出て、リズムを刻むのが心地よい曲です。
曲名の「Sun shower」は“天気雨”という意味なんですけど、「前を向いて歩いていても雨が降るときもある。それでも晴れが待っているよ」っていう心境を「Fractal」とは違う意味で歌っています。
私は突っ走るタイプなので、今までダーッて走ってきたんですけど「立ち止まって振り返ることも悪くない」と今年になって思えたんですね。前に走るのもいいけど後ろを振り返って今までのことを整理して、それを踏まえて歩き出すことも良いことなんだって思えたというか。そんな気持ちを歌っています。
―ちょっと楽曲から離れますが、立ち止まって振り返るきっかけというのはあったんでしょうか。
榊原さん そうですね、事務所が新体制になったり、CDのレーベルがメディアファクトリーに移ったりと、自分の周りで変化があったんですよね。改めて変わらなくていいところと、そうじゃない部分が整理できて、こうした方が良かったなって部分も見えてきて。そういう意味でも「今までのことを踏まえて、もう一度スタート」ですね。
・「LOVE☆FIRE!」について
榊原さん これはもう、趣味です(笑)
LOVEシリーズという、うちのラジオのオープニングになったりとか、ライブでよく歌う曲があるんですが、「LOVE☆FIRE!」はガチでライブの常連にしたくて作った曲です。熱すぎて暑苦しいくらいの曲にしました。“榊原ゆい”特有の女性声優らしからぬ男らしさがふんだんに入ってます(笑)
女性声優で「行くぜぇぇー! うおぉぉぉ!!」ってなるライブは、あまりないと思うんですよね。そういった“榊原ゆい”ならではの世界観を活かして、男らしく一緒に叫んで盛り上がる曲にしていきたいです。
―榊原さんのライブというとダンスなども見所ですが、そこも期待ですね。
榊原さん そうですね、パフォーマンスとしても熱い曲はガチですね。可愛い曲もいっぱいあるし、それはそれで盛り上がるんですが。とはいえ熱い曲も絶対に必要なので、そこで常連化させていきたいなと。ライブで一緒に盛り上がってください。
―ライブの予行演習としてもアルバムは必聴と(笑)
新曲はすべて榊原さんが作詞ということですが、タイアップ曲でも作詞を担当されることが多いですよね。
榊原さん そういった機会は多くなりましたね。自分のオリジナル曲はもちろん自分でやりたいという気持ちが強いんですが、タイアップ曲はゲームメーカーさんに信頼していただくことがまず第一歩です。その上で「また榊原さんにお願いしたい」と思っていただいたり、何か作品に触れていただいて「榊原さんにぜひ」といっていただけて繋がるところなので、自分から「作詞します!」とアピールすることはないです。それでも信頼を築いて任せていただけることもあって、嬉しく思いながら作詞しています。
その上でですけど、もともとこっちの業界が好きでやっているので、ゲームの曲を作るのは楽しいですね。テーマがあって、オープニングの曲にどこまで詰め込もうか考えるのが好きみたいです。オリジナルはオリジナルで違った楽しさがあるんですけど、この業界ならではの作品作りというのが私は好きなんですね。
―ちょっと特殊な作り方ですよね。そんなゲーム主題歌もアルバムにはたくさん収録されていますね。
・ゲームタイアップ収録曲について
榊原さん 毎年アルバムを作るときはファンの方のブログだったり、いろいろな意見を参考にしているんですが、今年はショートバージョンしか表に出ていない曲のフルバージョンをみなさんにお届けしたいということで、収録する楽曲を集めてみました。
―具体的にはどの曲になるんでしょう。
榊原さん まず「れっつごー!Modulation(PCゲーム「絶対可憐!お嬢様っ」主題歌)」は歌詞が表に出ていないということで。田舎ラップのようなパートもあって特殊な曲なので、歌詞をちゃんと読めたほうが喜ばれるかなと。
次に「黒い花(PSPソフト「ひぐらしの哭く頃に雀」主題歌)」ですね。『ひぐらし』シリーズの曲なんですが、ショートバージョンしかないということで。最近はメーカーさん側でゲームに特典としてサントラを付けたりされることが増えてきたので、CDになっているのかなと思っていたら違ったらしく「あら、そう」と(笑)
「Jubilus (PSPソフト「Dies irae」主題歌)」はメーカーのlightさんでもミニアルバムを出される予定ですが、こちらの方が先に収録になります。
「ラブこんぷ! (PCゲーム「花咲く乙女と恋の魔導書」主題歌)」もショートバージョンしか出ていないということで。私が作詞・作曲なんですが、すっかり出ているものだと思ってました(笑)
曲順が最後の「evolution(MMORPG「トキメキファンタジーラテール」イメージソング)」もゲームのログイン画面でしか聴けなかったので、フルバージョンを入れてみました。
―それならファンの方でも初めてフルで聴く楽曲がたくさん入っているということですね。
榊原さん そうなんですよね、どんだけ榊原ゆいのことを追いかけ続けていても手に入らなかった楽曲をここで初めてお届け出来ます。そういう意味でもファンの方にも喜んでもらえるアルバムになっているんじゃないかなと思います。その中でも「煌めき一閃(PCゲーム「あっぱれ!天下御免」主題歌)」や「真夏のCielo (PCゲーム「恋するコトと見つけたり!」主題歌)」といった“和”のテイストがあるゲームの曲が入っていることによって、タイアップ曲もアルバムイメージに沿った楽曲が多めになりました。過去の榊原ゆいのアルバムと比べて、一番コブシが効いているアルバムになっています(笑)
・和ロックなジャケット&MV
―アルバムイメージが和ロックということですが、ジャケットも今までとは違った印象でちょっと驚きました。
榊原さん これまでのアルバムジャケットはカッコイイ⇔カワイイという感じに交互に出していたんですが、今回は「変わらず、変わる」をテーマにしていることもあって、今までのコスプレっぽい印象を一回リセットしてアーティスティックなものにしてみてもいいんじゃないかと。これからずっとアーティスティックにしていくわけじゃないですよ。
なので、和ロックを全面に出すというより「マリー・アントワネットが和を着るとこうなる」というか、和洋が混ざった感じに作りこんでみました。ただし、撮影当日まで私はこういう髪型になるとは思ってませんでした(笑)
―アハハ、カツラですよねこれ。
榊原さん ヘアメイクさんに「任せて!」って言われていて、一応自分で髪のケアもしておいたんですけど、まったくもって必要なかったという(笑)
アーティスティックなものが得意なヘアメイクさんなので全て委ねていたんですが、まさか地毛じゃなくなると思っていなかったので「言ってくださいよ! 昨日トリートメントしちゃいましたよ(笑)」みたいな話をしていました。普段ならしないような格好になったので、それはそれでこのビジュアルをどう私らしい表現にしていくかという挑戦でもありました。
―こちらの衣装はMVでも使われていると思うんですが、そちらはどのような内容になっているんですか?
榊原さん 私としては初の、バンドを後ろに入れての映像になっていて、和太鼓もあって男臭い内容になっています(笑)
男臭くありながらも、キラッキラな感じです。万華鏡のような効果だったり、ジャケット(通常盤)にもあるラメのキラキラだったり。MVの最後にラメがたくさん降ってくるんですけど、これが実はメイキングでは大変なことになっていて見所です(笑)
そこはネット配信のショートバージョンには入っていないので、買ってからのお楽しみです。
榊原さん これはあとから修正したわけではなくて、監督さんがラメを降らせる小道具を専用に作ってきてくださっていて。よくインテリアでスノードームみたいにひっくり返すとラメが落ちてくるものがあるじゃないですか。それをカメラの横にいる人がレンズの前にかざしてラメを降らせて、その向こうに私がいて。そういうみんなのアイディアが集まって出来上がっているMVで、助けられています。あと、メイキング映像が面白いです!
―メイキングも初回限定盤の特典DVDに収録されてますね。
榊原さん 「あ、そういうことなの? 結構アナログなのね!」っていう所が結構あります。なのでMV観て、メイキングを観て、もう一回MVを観たくなる内容になっています(笑)
あと、特典DVDには「Happy☆LOVE×ライブ2011」のライブ映像も4曲を抜粋して収録してます。演出ごとにそれぞれ特徴のある曲になってます。映像をガッツリ撮ってDVDにする予定ではなかったので、カメラ台数が少なかったりはするんですけど、ライブとしての臨場感だったり盛り上がりは十分伝わる映像が撮れていたので、ちょっともったいないなと。
今回のアルバムは豪華にしたかったんですが、ただ単にお金をかけて豪華にするんじゃなくて、みなさんに求められているものは何かなって考えた時、このライブ映像は観たいと思ってもらえるのではと、収録を決めました。
私の気持ちとしても、アルバムはみなさんに買っていただきやすいものだと思うんですよね。そこでライブ映像も一緒に観られるというのはお得感があるし、今まで曲だけ聴いていたファンの方にも「ライブに行ったら面白そう!」って思ってもらえれば、10月に予定しているライブにも来てもらえるんじゃないかなと。
―新しい楽しみ方へのきっかけになるといいですよね。それでは少し話題が離れますが年に1回のアルバムということで、今年はどんな年になってますか? 聞くには中途半端なタイミングではありますが(笑)
・そしてこれから…
榊原さん やっぱり自分の環境が変わって、アーティストであり声優でありという自分自身の仕事以外でバタバタしたんですけど、そのぶんすごく未来に向けて意味のあるバタバタだったなと感じていて。未来が見えているからこそ頑張れるということを感じたので、「まだまだ榊原ゆいとしてやっていきたいな」と再確認できました。あと自分のDNAを受け継ぐ後輩たちの育成だったり、新しい目標も見えてきて「やべぇ! また楽しくなっちゃう!!」みたいな(笑)
また忙しくなるけど、それが楽しいんだろうなってワクワク感が芽生えました。
―また新しい挑戦もたくさんありそうですね。
榊原さん そうですね。でもいろんなことをするからと言って適当にやっているかと言うと違っていて、すべてに全力投球。いろんなことをやっていくのって楽しいんだなって、実感しました。
―これからの活躍も楽しみにということで。それでは最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
榊原さん 毎年のことなんですけど、8月下旬に発売するこのアルバムを聴いていただければ10月にあるバースデーライブに向けて予習ができるという、いつもの流れがこんなに続くとは思っていなかったので、この告知をできることが本当に幸せです。特に今年は初の誕生日当日のバースデーライブなので、この「Fractal」を聴いてお祝いに来てもらえたら嬉しいです。あと、1年に1枚ということで、アルバムを数えればみなさんがもう何年間榊原ゆいのファンでいてくださっているかは分かると思うんですけど、これからも一緒に数えられるように頑張っていきます。私と一緒に年月を重ねて、応援していただければ嬉しいです。
―ありがとうございましたっ!
◆榊原ゆいバースデーライブ「Happy★LOVE×Live2012」
日時:2012年10月13日(土) 開場16:30/開演17:30
場所:中野サンプラザホール
企画:LOVE×TRAX
主催:LOVE×TRAX/KM MUSIC
チケット料金:全席指定 6,300円(税込)
※詳細はこちら
■関連サイト
榊原ゆい公式サイト
発売日:2012年8月29日(水)
価格:初回限定盤 3,990円(税込)/通常盤 3,150円(税込)
収録曲:
01.Fractal(新曲)
02.Scarlet (PCゲーム「DRACU-RIOT!」主題歌)
03.恋愛0キロメートル(PCゲーム「恋愛0キロメートル」主題歌)
04.れっつごー!Modulation(PCゲーム「絶対可憐!お嬢様っ」主題歌)
05.pipipi☆STRIKE! (PCゲーム「ひよこストライク!」主題歌)
06.大江戸小町(PCゲーム「あっぱれ!天下御免」イメージソング)
07.真夏のCielo (PCゲーム「恋するコトと見つけたり!」主題歌)
08.秘密仕掛けのapple(PCゲーム「キミとボクとエデンの林檎」主題歌)
09.Sun shower(新曲)
10.黒い花(PSPソフト「ひぐらしの哭く頃に雀」主題歌)
11.Jubilus (PSPソフト「Dies irae」主題歌)
12.煌めき一閃(PCゲーム「あっぱれ!天下御免」主題歌)
13.LOVE☆FIRE!(新曲)
14.ラブこんぷ! (PCゲーム「花咲く乙女と恋の魔導書」主題歌)
15.evolution(MMORPG「トキメキファンタジーラテール」イメージソング)
初回限定盤 特典DVD収録内容
01.「Fractal」Music Video
02.「Fractal」Making
〜「Happy☆LOVE×ライブ2011」より〜
03.「Blue mind」(PCゲーム「時を奏でる円舞曲」)
04.「my only prince」(PCゲーム「廻り巡ればめぐるときっ!?」)
05.「Eternal Destiny」(PCゲーム「夜明け前より瑠璃色な」)
06.「TREUE」(ゲーム「スーパーロボット大戦OG」レオナ テーマ曲アレンジ)
◆榊原ゆい「Fractal(フラクタル)」インタビュー
―それではよろしくお願いします。今回アルバム「Fractal」が発売ということですが、もう8枚目のアルバムになるんですね。結構な数の曲を毎年歌われていますよね。
榊原さん よろしくお願いします! 1年に1枚のペースでアルバムを出させていただいているんですが、この中に収録されていない楽曲もあるので、そう考えると毎年、改めて相当な数を歌わせていただいているんだなって思います。
―「Fractal」ではオリジナル曲を3曲新たに録り下ろしているということで、まずはそれぞれの新曲についてお伺いしていければ。
・新曲「Fractal」について
榊原さん 表題曲の「Fractal」はMVにもなっているんですけど、アルバム全体のテーマでもある“和”が前に出ている曲です。“和”でロックをやりたいというのは以前から言っていたんですけど、ついに実現しました。去年のPCゲームタイアップ曲で“和”のテイストがある曲、作品が多かったのがきっかけでもあるんです。
私の座右の銘でもある「変わらず、変わる」ということを詞に乗せながら、進化していくことを歌ったロックな曲になっています。
―「変わらず、変わる」というのは意味深な言葉ではありますが、進化した部分というと?
榊原さん 1年毎にアルバムを出させていただく中で、もちろん私の中で成長をしている部分もありますし、ファンのみなさんのことを思う気持ちも年々形になっていってます。今回、改めてアルバムにまとめさせていただくことで色々なお仕事をさせていただいていることを実感したんです。歌もそうですし、収録させていただいた歌のゲームでもほとんどメインヒロインを演じさせていただいているんですよ。そのうえ、作詞・作曲の部分も任せていただいていて、並べてみると「こんなにお仕事をさせていただいているんだ」と。声優だけでもなく、歌手だけでもなく、作り手としていろんなことをさせていただいている“2012年の私”。みなさんにチャンスをいただきながら、いろんな形で作品を出す場を与えていただいているんだなって思うと、やっぱり人とのつながりも進化していて。今回のアルバムで特にそう感じました。
―新曲では榊原さんが作詞をされていますが、そういった想いが表現された詞になっているんでしょうか。
榊原さん そうですね、アーティスト本人の言葉が一番伝わるかなと。その想いはオリジナル楽曲の時に特に大切にしています。
最初は「Fractal」を妖艶な方向に振ろうかなと思ったんですけど、一緒に制作したスタッフとも相談して「もっとメッセージ性のある方向にしてもいいんじゃないか」ということになりました。“和”であり“ロック”なんだけど、そこに自分を出してみるのも良いかなと。なので日本的なイメージが浮かびながらも、私の中の気持ち、言葉を込めて「華を咲かせましょう」と。行き着くところは“進化”、前を向いて進む力強さに結びつく歌詞になってます。
・「Sun shower」について
榊原さん こちらは「Fractal」とは全然違って、今時っぽい感じのちょっと暖かいバラードに持っていきました。ドラムのキックの音が前に出て、リズムを刻むのが心地よい曲です。
曲名の「Sun shower」は“天気雨”という意味なんですけど、「前を向いて歩いていても雨が降るときもある。それでも晴れが待っているよ」っていう心境を「Fractal」とは違う意味で歌っています。
私は突っ走るタイプなので、今までダーッて走ってきたんですけど「立ち止まって振り返ることも悪くない」と今年になって思えたんですね。前に走るのもいいけど後ろを振り返って今までのことを整理して、それを踏まえて歩き出すことも良いことなんだって思えたというか。そんな気持ちを歌っています。
―ちょっと楽曲から離れますが、立ち止まって振り返るきっかけというのはあったんでしょうか。
榊原さん そうですね、事務所が新体制になったり、CDのレーベルがメディアファクトリーに移ったりと、自分の周りで変化があったんですよね。改めて変わらなくていいところと、そうじゃない部分が整理できて、こうした方が良かったなって部分も見えてきて。そういう意味でも「今までのことを踏まえて、もう一度スタート」ですね。
・「LOVE☆FIRE!」について
榊原さん これはもう、趣味です(笑)
LOVEシリーズという、うちのラジオのオープニングになったりとか、ライブでよく歌う曲があるんですが、「LOVE☆FIRE!」はガチでライブの常連にしたくて作った曲です。熱すぎて暑苦しいくらいの曲にしました。“榊原ゆい”特有の女性声優らしからぬ男らしさがふんだんに入ってます(笑)
女性声優で「行くぜぇぇー! うおぉぉぉ!!」ってなるライブは、あまりないと思うんですよね。そういった“榊原ゆい”ならではの世界観を活かして、男らしく一緒に叫んで盛り上がる曲にしていきたいです。
―榊原さんのライブというとダンスなども見所ですが、そこも期待ですね。
榊原さん そうですね、パフォーマンスとしても熱い曲はガチですね。可愛い曲もいっぱいあるし、それはそれで盛り上がるんですが。とはいえ熱い曲も絶対に必要なので、そこで常連化させていきたいなと。ライブで一緒に盛り上がってください。
―ライブの予行演習としてもアルバムは必聴と(笑)
新曲はすべて榊原さんが作詞ということですが、タイアップ曲でも作詞を担当されることが多いですよね。
榊原さん そういった機会は多くなりましたね。自分のオリジナル曲はもちろん自分でやりたいという気持ちが強いんですが、タイアップ曲はゲームメーカーさんに信頼していただくことがまず第一歩です。その上で「また榊原さんにお願いしたい」と思っていただいたり、何か作品に触れていただいて「榊原さんにぜひ」といっていただけて繋がるところなので、自分から「作詞します!」とアピールすることはないです。それでも信頼を築いて任せていただけることもあって、嬉しく思いながら作詞しています。
その上でですけど、もともとこっちの業界が好きでやっているので、ゲームの曲を作るのは楽しいですね。テーマがあって、オープニングの曲にどこまで詰め込もうか考えるのが好きみたいです。オリジナルはオリジナルで違った楽しさがあるんですけど、この業界ならではの作品作りというのが私は好きなんですね。
―ちょっと特殊な作り方ですよね。そんなゲーム主題歌もアルバムにはたくさん収録されていますね。
・ゲームタイアップ収録曲について
榊原さん 毎年アルバムを作るときはファンの方のブログだったり、いろいろな意見を参考にしているんですが、今年はショートバージョンしか表に出ていない曲のフルバージョンをみなさんにお届けしたいということで、収録する楽曲を集めてみました。
―具体的にはどの曲になるんでしょう。
榊原さん まず「れっつごー!Modulation(PCゲーム「絶対可憐!お嬢様っ」主題歌)」は歌詞が表に出ていないということで。田舎ラップのようなパートもあって特殊な曲なので、歌詞をちゃんと読めたほうが喜ばれるかなと。
次に「黒い花(PSPソフト「ひぐらしの哭く頃に雀」主題歌)」ですね。『ひぐらし』シリーズの曲なんですが、ショートバージョンしかないということで。最近はメーカーさん側でゲームに特典としてサントラを付けたりされることが増えてきたので、CDになっているのかなと思っていたら違ったらしく「あら、そう」と(笑)
「Jubilus (PSPソフト「Dies irae」主題歌)」はメーカーのlightさんでもミニアルバムを出される予定ですが、こちらの方が先に収録になります。
「ラブこんぷ! (PCゲーム「花咲く乙女と恋の魔導書」主題歌)」もショートバージョンしか出ていないということで。私が作詞・作曲なんですが、すっかり出ているものだと思ってました(笑)
曲順が最後の「evolution(MMORPG「トキメキファンタジーラテール」イメージソング)」もゲームのログイン画面でしか聴けなかったので、フルバージョンを入れてみました。
―それならファンの方でも初めてフルで聴く楽曲がたくさん入っているということですね。
榊原さん そうなんですよね、どんだけ榊原ゆいのことを追いかけ続けていても手に入らなかった楽曲をここで初めてお届け出来ます。そういう意味でもファンの方にも喜んでもらえるアルバムになっているんじゃないかなと思います。その中でも「煌めき一閃(PCゲーム「あっぱれ!天下御免」主題歌)」や「真夏のCielo (PCゲーム「恋するコトと見つけたり!」主題歌)」といった“和”のテイストがあるゲームの曲が入っていることによって、タイアップ曲もアルバムイメージに沿った楽曲が多めになりました。過去の榊原ゆいのアルバムと比べて、一番コブシが効いているアルバムになっています(笑)
・和ロックなジャケット&MV
―アルバムイメージが和ロックということですが、ジャケットも今までとは違った印象でちょっと驚きました。
榊原さん これまでのアルバムジャケットはカッコイイ⇔カワイイという感じに交互に出していたんですが、今回は「変わらず、変わる」をテーマにしていることもあって、今までのコスプレっぽい印象を一回リセットしてアーティスティックなものにしてみてもいいんじゃないかと。これからずっとアーティスティックにしていくわけじゃないですよ。
なので、和ロックを全面に出すというより「マリー・アントワネットが和を着るとこうなる」というか、和洋が混ざった感じに作りこんでみました。ただし、撮影当日まで私はこういう髪型になるとは思ってませんでした(笑)
―アハハ、カツラですよねこれ。
榊原さん ヘアメイクさんに「任せて!」って言われていて、一応自分で髪のケアもしておいたんですけど、まったくもって必要なかったという(笑)
アーティスティックなものが得意なヘアメイクさんなので全て委ねていたんですが、まさか地毛じゃなくなると思っていなかったので「言ってくださいよ! 昨日トリートメントしちゃいましたよ(笑)」みたいな話をしていました。普段ならしないような格好になったので、それはそれでこのビジュアルをどう私らしい表現にしていくかという挑戦でもありました。
―こちらの衣装はMVでも使われていると思うんですが、そちらはどのような内容になっているんですか?
榊原さん 私としては初の、バンドを後ろに入れての映像になっていて、和太鼓もあって男臭い内容になっています(笑)
男臭くありながらも、キラッキラな感じです。万華鏡のような効果だったり、ジャケット(通常盤)にもあるラメのキラキラだったり。MVの最後にラメがたくさん降ってくるんですけど、これが実はメイキングでは大変なことになっていて見所です(笑)
そこはネット配信のショートバージョンには入っていないので、買ってからのお楽しみです。
榊原さん これはあとから修正したわけではなくて、監督さんがラメを降らせる小道具を専用に作ってきてくださっていて。よくインテリアでスノードームみたいにひっくり返すとラメが落ちてくるものがあるじゃないですか。それをカメラの横にいる人がレンズの前にかざしてラメを降らせて、その向こうに私がいて。そういうみんなのアイディアが集まって出来上がっているMVで、助けられています。あと、メイキング映像が面白いです!
―メイキングも初回限定盤の特典DVDに収録されてますね。
榊原さん 「あ、そういうことなの? 結構アナログなのね!」っていう所が結構あります。なのでMV観て、メイキングを観て、もう一回MVを観たくなる内容になっています(笑)
あと、特典DVDには「Happy☆LOVE×ライブ2011」のライブ映像も4曲を抜粋して収録してます。演出ごとにそれぞれ特徴のある曲になってます。映像をガッツリ撮ってDVDにする予定ではなかったので、カメラ台数が少なかったりはするんですけど、ライブとしての臨場感だったり盛り上がりは十分伝わる映像が撮れていたので、ちょっともったいないなと。
今回のアルバムは豪華にしたかったんですが、ただ単にお金をかけて豪華にするんじゃなくて、みなさんに求められているものは何かなって考えた時、このライブ映像は観たいと思ってもらえるのではと、収録を決めました。
私の気持ちとしても、アルバムはみなさんに買っていただきやすいものだと思うんですよね。そこでライブ映像も一緒に観られるというのはお得感があるし、今まで曲だけ聴いていたファンの方にも「ライブに行ったら面白そう!」って思ってもらえれば、10月に予定しているライブにも来てもらえるんじゃないかなと。
―新しい楽しみ方へのきっかけになるといいですよね。それでは少し話題が離れますが年に1回のアルバムということで、今年はどんな年になってますか? 聞くには中途半端なタイミングではありますが(笑)
・そしてこれから…
榊原さん やっぱり自分の環境が変わって、アーティストであり声優でありという自分自身の仕事以外でバタバタしたんですけど、そのぶんすごく未来に向けて意味のあるバタバタだったなと感じていて。未来が見えているからこそ頑張れるということを感じたので、「まだまだ榊原ゆいとしてやっていきたいな」と再確認できました。あと自分のDNAを受け継ぐ後輩たちの育成だったり、新しい目標も見えてきて「やべぇ! また楽しくなっちゃう!!」みたいな(笑)
また忙しくなるけど、それが楽しいんだろうなってワクワク感が芽生えました。
―また新しい挑戦もたくさんありそうですね。
榊原さん そうですね。でもいろんなことをするからと言って適当にやっているかと言うと違っていて、すべてに全力投球。いろんなことをやっていくのって楽しいんだなって、実感しました。
―これからの活躍も楽しみにということで。それでは最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
榊原さん 毎年のことなんですけど、8月下旬に発売するこのアルバムを聴いていただければ10月にあるバースデーライブに向けて予習ができるという、いつもの流れがこんなに続くとは思っていなかったので、この告知をできることが本当に幸せです。特に今年は初の誕生日当日のバースデーライブなので、この「Fractal」を聴いてお祝いに来てもらえたら嬉しいです。あと、1年に1枚ということで、アルバムを数えればみなさんがもう何年間榊原ゆいのファンでいてくださっているかは分かると思うんですけど、これからも一緒に数えられるように頑張っていきます。私と一緒に年月を重ねて、応援していただければ嬉しいです。
―ありがとうございましたっ!
◆榊原ゆいバースデーライブ「Happy★LOVE×Live2012」
日時:2012年10月13日(土) 開場16:30/開演17:30
場所:中野サンプラザホール
企画:LOVE×TRAX
主催:LOVE×TRAX/KM MUSIC
チケット料金:全席指定 6,300円(税込)
※詳細はこちら
■関連サイト
榊原ゆい公式サイト