2017年12月05日
現在放送中のTVアニメ「Dies irae(ディエス・イレ)」より、本作の音楽制作に携わるアーティストたちによる座談会が行われました。
参加したのは、主題歌を歌う榊原ゆいさん、音楽を担当した与猶啓至さん、ギタリストの若井望さん、ZIZZ STUDIOの磯江俊道さんです。
原作PCゲームの制作から関わってきた彼らから見たTVアニメ「Dies irae(ディエス・イレ)」について、存分に語っています。
◆Dies irae(ディエス・イレ)音楽座談会
【出席者】 榊原ゆい/与猶啓至/若井望/磯江俊道(ZIZZ STUDIO)
──TVアニメ『Dies irae(ディエス・イレ)』が今期スタートしましたね。
全員 拍手
──これはアニメ化するまでに時間がかかったんですよね。
榊原 アニメ化する際、クラウドファンディングで一日で金額達成して…。
与猶 あれって二年くらい前ですか。
榊原 2015年ですね。
──一日で達成ってどういうことなんですか?
与猶 目標3000万設定で、早々に達成したんですよね。
榊原 ストレッチゴールっていう、プラスもうちょっとゴールを上に設定して、結果1億近く集まったんです。それでアニメ化が決まりました。
若井 元を辿ればPC版のゲームがあったわけですよね。
榊原 作品は10年前ですね。
若井 その後にリニューアル版も発売したりして、この業界では話題だったわけですよね。
与猶 『萌えゲーアワード』を受賞したんですよね。
榊原 そもそもPCゲームが人気で、“アニメ化になるといいねー”なんて、話していて。当時はPCゲームが人気出るとアニメ化という流れはありましたが、10年後、純粋にファンの愛で、この時代になってクラウドファンディングというものが出来て、実現した作品なので、ファンの愛なくしてはこのアニメ化はなかったんですよね。
──皆さんも作品に愛着あるんですよね。
榊原 世の中いろんな作品がいっぱい出ているなかで、10年も同じゲームが好きというのは、なかなか無いことですから。で、音楽チームで熱く語ったことがほとんどないんです。アニメ化の際、制作チームの方は座談会やっているので、じゃあ音楽チームもやろうよということで。音楽の影響の強い作品なので、音楽を語る場もあったらいいなと思いまして。やはり音楽あっての『Dies irae』なので。
若井 それは本当に思うね。
榊原 ええ、凄く音楽が重要なポジションにありますからね。
──最初の一曲目から世界観が完成していましたね。
榊原 そうなんです。私と与猶さんと最初の出会いが「Einsatz(アインザッツ)」なんです。
与猶 この作品には大きな世界観があって、一つ前のゲームがあるんですけど、そのゲームのBGMを僕が担当していて、クラシカルなフレイバーのあるギター・サウンドというのを一曲作ってみたことがあったんです。シナリオライターさんから、この路線の曲を次でも生かしてもらえないかという話になって。それでクラシカルな感じとメタルな感じ、僕の中にある要素を詰め込んで作りました。アレンジはいろんな方にやってもらいましたけど。
──与猶さんは最初からヘヴィ・メタルやハードロックがお好きだったんですか。
与猶 特定のジャンルが好きというのはなかったんですけど、メタルは大好きでしたね。作れるかどうかはまた別の話だったんですけど。
──榊原さんの作る歌詞も凄いですね。
榊原 “中二”と呼ばれる世界観なのですが、私、中二じゃないんですよね(笑)。脳みそをどうやって中二にすればいいのか、かなり悩みました。それまではキュンキュンした曲を多く歌っていたので、急にこの作品が来て驚いて。普通はPCゲームの主題歌って可愛い系の歌が多いんです。与猶さんから曲をいただいた時、“ヤバいこれどうしよう”って(笑)。そこから振り絞りましたね。結果、偶然の産物なんですけど、このメロディーを女性ボイスで歌ってもカッコよくないんじゃないかと、自分で思いまして。前もっての指示はなかったんですけど、男性歌詞にして、当日になって男ボイスで荒々しく歌ってもいいですかって提案したらOKが出たので、歌ってみたら上手くハマったんです。初めてこういう歌をリリースしたので“そんな声も出すんだ”って皆さんに言われましたけど。
与猶 登場人物のキャラは可愛らしい役なのに(笑)。
榊原 女神の役なのにまったくそこはガン無視して(笑)。主題歌として、いかにカッコよくなるかということを一番に考えた結果、たまたまこの「Einsatz」が完成したんです。メロディも男声で歌いやすかったというか、ガナリやすかった(笑)。
若井 なかなか凄いことですよ。
与猶 偶然だったんですよね。
若井 私はヘヴィ・メタル出身だからわかるんだけど、そもそも与猶さんはゲームの作曲家だから手法が違う。ヘヴィ・メタルより先にクラシックがきてるので、コードの解釈とかも違う。様式美系のメタルの解釈ではない。ちゃんとしたクラシカルというものがある上で、そこにメタルの要素を足していってる。
榊原 ベースが違う。
若井 そう、作品のために必要なゲーム音楽としてあるべき姿があって、それがクラシカルで、最後にメタルの要素を足している。普通メタルの人はメタルをやるために様式美を取り入れるんだけど。これが決定的に違う。
榊原 同じようでも違う。紅茶にミルクを入れるのと、ロイヤルミルクティくらい違う(笑)。
若井 そうそう、似てるけど違う。
榊原 磯江さんも「Einsatz」2017Ver.には関わって下さってますよね。アニメ化になって、2017年バージョンを作ろうということで。
磯江 はい。一緒に力を合わせてアレンジした感じなんですけどね。そこで与猶さんの洗礼を受けたという(笑)。
榊原 そう、洗礼(笑)。私も最初洗礼を受けた、ソレですね(笑)。本当に与猶さんの曲は難しい!
若井 ほんと難しい(笑)。アニメ化すると聞いて、「Einsatz」はライヴでも演っていたので、これはレコーディングでも絶対弾きたい、参加したいって話をして。
榊原 歴代主題歌をやらせていただいて、バンドのメンバーがこの凄く難しい楽曲を演奏してきたので、アニメ化するにあたって、やっぱりこのメンバーでやりたいと。
与猶 お会いした段階で、すでに理解してくれていたので、すぐにこれはお願いするしかないと思いました。
榊原 若井君は以前から与猶さんの音楽を知ってたんだよね。
若井 元々ゲームが好きで、今ではゲームの仕事を裏方としてやることもあるんですけどね。それ以前に私が小学生の頃にFM TOWNSってパソコンがありまして。そこで『あすか120%』という格闘ゲームがあったんです。この音楽を与猶さんが担当していたと何十年越しに知って驚愕して(笑)。
与猶 メールもらいましたもんね。
若井 嬉しくてテンション上がって、すぐメールしましたから。そういうことも含めて凄く面白かった。
与猶 昔の音楽をリメイクするようなことが最近多いんです。普通、音楽ってすべて“未知”なんですよね。新たに作るものだから。昔の曲をリメイクするというのは、すでに正解があって、この正解を壊しちゃダメだという条件がある。ベースの部分を壊さずにプラスアルファをどう付け加えるかという。
若井 そうですね。
榊原 耳に馴染んだものをじゃあどうやって進化させるかっていうのは、結構考えるところじゃないですか。
若井 ゲームをやっていればわかるんだけど、あのシーンでこれ流れなきゃダメじゃんって(笑)。既知感というか既聴感というか。
榊原 そういう意味を込めて、与猶さんを主軸として、ウチのバンマスの若井君と磯江さんのような慣れてらっしゃる方とか、ちゃんとジャンルもわかっていて、ファンの気持もわかる人達でチームとして組んでから、今回のアニメ化に向かっていったんです。2017年バージョンの「Einsatz」は、またカッコよく研ぎ澄まされた感じにはなっていると思います。
与猶 うん、スマートな感じにはなったと思う。
──榊原さんは初作詞だったわけじゃないんですよね。
榊原 ええ、でも“中二”の作詞は初めてだった(笑)。もっとポップでキュートな感じだったんですけど。さすがにここまでのオラオラはなかったので、ハマるかどうか怖かったんです。ある意味、チャレンジでしたからね。
与猶 僕もメタルは初めてでした。このゲームで初めて僕の音楽に触れた方には、メタルと言えば、みたいな感じに言われることもあります。
──それほどインパクトがあったんですね。
榊原 可愛らしい声のゆいにゃんよりこっちのカッコイイゆいにゃんが好き、みたいな人も結構いるんですよね(笑)。
──この後、ゲームは完全版が出ますね。そのテーマ曲が「Gregorio(グレゴリオ)」です。
与猶 この時点で僕は完全版とはいうものの、元のゲームが人気あったので、“誤差”を聴いてもらうことを意識した。似たようなコード進行とか要素をたくさん入れてあります。
榊原 シリーズだと分かる感じのやつですね。
与猶 そう、あえてわかるようにしました。自分の曲をパクるみたいな感じで。「Einsatz」で、自分の中の引き出しをすべて入れてしまったので、そこから発展させていったんです。
──「Gregorio」には“L×Tmix”がありますね。
若井 この年(2010年)が榊原さんと初めてのガッツリとした音楽作りだったかな。
榊原 「ファンタズム」が初めてで、榊原ゆいとしては初なのかな。知り合って、音楽のテイストもわかっていたので、アルバム収録用とライヴ用に別ミックスを作りたいのでお願いしたんです。
若井 生演奏でやることを前提にアレンジしていくんですけど、そのときにわかったのは、これはやっぱりハードロックが基盤ではないということ。ハードロックの人は、そういう風に出来ているものとしてコードも考えるんですけど、これは違う。迂闊にパワーコードなんか使おうものならすぐ当たるわけですよ。録るとき凄い苦労してやったから、凄い勉強になりましたね。生ドラムでこれを再現するならギリギリこれなら出来るなとか考えつつ再現して組んでいった。それはもう大変でしたよ。
榊原 磯江さんが『Dies irae』シリーズで、私のライヴで演奏したことのあるのはどれですか。
若井 「Jubilus(ユビルス)」じゃないかな。
磯江 はいはい。PSP版の主題歌ですね(※PSP版『Dies irae〜Amantes amentes〜』OP主題歌)。
若井 とにかくね、与猶さんの曲は自分の中で新しいと思った。世にあるネオクラシカル・メタルをいっぱい聴いてきたけど、決定的に違うのよ。ハードロックの人が作るとこうはならない。あくまでもゲーム音楽のために作られた音楽なんですよね。
榊原 戦闘シーンのBGMに主題歌のヴォーカル無しでアレンジされたものが流れるので、そこも考えて作られてるんですよね。
与猶 バトルシーンでも使いますって、発注の時点で言われていますから。
榊原 その辺も考えて作られているので、そこが違うんでしょうね。
若井 あと榊原さん、よく歌えるなと思う。
榊原 ファンの人から「歌えない!」って言われる(笑)。
若井 凄いよ。本当に生で歌えるのかなと思った。で、ずっと疑問に思ってて(笑)。レコーディングでは継ぎ接ぎしてるのかなと思っていたんだけど、現場に行ってみたらなんとしっかり歌うんですよね、榊原先生は。
榊原 結構スルッといけるのよね(笑)。
若井 息継ぎほとんど無いんですけどねえ。
榊原 与猶さんの曲って難しいんですけど、ボーカルとしての試練でもあって、これをどうカッコよく仕上げるか、音の詰まり方、飛び方だったりとかメチャ難しいんですけど、これはちゃんと仕上がったら絶対にカッコよくなるって思ったんですよ。「Einsatz」はライヴで何度も歌っていたので、与猶サウンドは洗礼を受けて以来、しっかりと身体の中に入っているので(笑)。だから「Gregorio」は「Einsatz」の時よりも全然イメージしやすかったですね。
与猶 この「Gregorio」くらいから2人のレコーディングのスタイルが出来上がって、これからずっとやり方は変わっていないですね。
榊原 そうですね、阿吽の呼吸が出来上がった。それに『Dies irae』以外の作品、同じメーカーさんと同じシナリオライターさんが作っている別の作品でも与猶さんの曲で作詞して歌っているので、もうドンとこいですよ(笑)。
与猶 ありがとうございます。
若井 ライヴがまた凄いことになってるんだよね。
榊原 与猶さんの曲はそれまでオケで歌っていたんです。ダンス・パフォーマンスがメインだったので、ダンサーちゃん達もヒーヒー言いながらやってたんですけどね。やがてライヴのバリエーションとして、生バンドでやりたいなって思いまして。
与猶 パンドラの匣に手をかけてしまった(笑)。
若井 ホントだよ(笑)。
榊原 だって、このサウンドを聴いちゃうと、ファンだってガチの生サウンドで聴きたいじゃないですか。それに榊原ゆいBandはこういうガッチガチな凄いメンバーも揃ってるし(笑)。
若井 そりゃもう皆、大変ですよ。ギターも大変だけど、ドラムも大変。キーボードだって、これもう同期スベったら終わりだからね(笑)。
与猶 油断する隙がない曲になっちゃったですよねえ。
──プログレッシヴ・ロック的でもありますね。
与猶 ハーモニー的にはプログレッシヴなんだけど、基本的にリズムは絶対に変拍子は入れたくなかったんです。
若井 でも「Einsatz」のラストに変拍子が入ってるんですよ。あれは当時、与猶さん以外の方がアレンジしていて、変拍子が入ってるんですが、アレがくせ者でして(笑)。
榊原 与猶さんの管轄外のところでも苦戦するんですよね(笑)。
若井 そもそも逃げ場がない。ズルが出来ない。ズルは与猶さんが絶対に許さない的な音なので(笑)。
──それは音が詰まっているという意味なんですか?
若井 いや、縦に積んである。それは譜面を採っている磯江さんがよくわかっていますよね。
磯江 カットしても構わないフレーズがひとつもないので。ギターの旋律とパイプオルガンとかストリングスの旋律などが混ざってひとつのうねりを作っている。コードじゃなくて和音で曲が進んでいく、フレーズでハーモニーが出来ているような。旋法っていうんですかね。
与猶 バッハみたいなことなんです。
若井 音大時代に少し学んだんですが、クラシックってコードを付けることは出来るんですけど、必ずしもそうじゃないんですよ。
磯江 うん、ロックのミュージシャンはコードを弾けばどうにかなるという考え方なんですけど(笑)、この場合は譜面通りに弾かないとその曲にならないっていう。また楽曲がドラマチックですからね。緩急が凄いから、本当に気が抜けない。
若井 アニメとかゲームにはそれぞれやり方っていうのがあるので、そういう部分を磯江さんと二人で磨いていった。
磯江 ディスカッションして、結構豪華に出来ましたね。
若井 元からあったものが、こんなになるのかっていう感動があった。ゲームになったものがアニメで動くという感動と同じような。あの曲があのサウンドがこんなにリッチな音になっている!っていう。ただ、根本は大事にしているので同じです。
榊原 「Einsatz」から10年経ったからこその濃さだったり、進化だったりとか、最初の頃から考えると色々感慨深いものがありますね。
若井 ゲームを一通りやってみるとわかるんだけど、ロックじゃない部分もあるんだよね。会話のシーンとか日常のゆるいBGMも素敵なんだよ。
榊原 あれだけやり込んだゲームが、アニメになっても同じシーンで、同じBGMがかかるときのゾクッと感ね(笑)。ファンの人はその音楽ありきで読み物を読んでいるし、ゲームの中で聴いた音楽がTVから流れてくるあの感覚って、なんとも言えない、たまらないものがありますよね。
与猶 それが10年分ありますからね。
若井 個人的にはハードロックじゃない部分、シンセサイザーの音楽については二人とも造詣が深いから、その辺がブラッシュアップされていて、アレがグッとくるんだよねえ。
与猶 生音をふんだんに使いましたし、磯江さんにゴージャスなアレンジをたくさん入れていただいて。ま、正解が常にあるものなので、これを入れると原曲のイメージと離れかねないからここはちょっと抑え気味に、みたいなことをいっぱいお願いしていると思うんです。
磯江 プレッシャーがハンパないんです(笑)。ファンの人の想い入れが強いから、そこの想像をどうやって越えるかっていうところが大変でした。
榊原 そんなことは言われないとは思うんですけど、前の方が良いって言われるのがいちばん悔しいですから(笑)。
磯江 熱がハンパなくて、特に音響監督の方が凄かった。ゲームをやり込んでいたら、思った以上に時間がかかってしまって、発注がちょっと遅くなってしまったという。それで謝られたんですけど、“それは仕方ないですね”って言ったんです(笑)。さらに、“このシーンにこの曲がかかるというのは、ファンの人達がそれを待っているからそうするんです、だから原作に忠実にやることが喜んでくださるんです”と言ってて。それでTwitterの反響を見ると、“あそこであの曲がかかってた!”ってやっぱり指摘している人がいたりして(笑)。ああ、こういうことなのかと思ってビックリしました。
榊原 音響監督さんが「クリスマスの商店街のBGMは“Uber den Himmel”にしました! あれ僕的に絶対合うと思うんですよ」って言ってたんです。そうやって皆が作品とファンの人達の気持ちを理解しながらやっているところが凄いと思う。アフレコの時の話なんですけど「PC版はこのセリフこうなっているんですけど」って元のゲームのセリフをそのまま使おうとしてくれるんですよ。語尾の締め方とか、ほんのちょっとの違いなんですけどね。“〜よ”と“〜だよ”くらいの違いなのに。やっぱりファンの愛で実現した作品なので、出来るだけ原作通りにいきましょうという。これって他の現場ではないことです。本当に独特なものだと思いますね。
──声優さんはセリフ覚えてないですもんね。
榊原 そこまで細かくはさすがに(笑)。印象的なセリフは覚えてますけど、日常会話まではね。でも、PSP版辺りから合間にドラマCDとか特典映像とかコンスタントに録ってるんですよ。人気作品なので何かしらの展開をしていて、皆、キャラは身体に入っています。そういうところも含めて、音もセリフもすごく原作に忠実にやっています。プラス、アニメとしての進化の仕方が、すごくまとまっている感じがありますね。
──PSP版『Dies irae〜Amantes amentes〜』OP主題歌の「Jubilus(ユビルス)」はいかがでしたか。
与猶 コアな感じの歌いにくさもあったし、鼻歌で歌えるようなメロディではないという指摘を受けたので、「Jubilus」では一般大衆向けの作品にしてくださいということになりました。それまでのシンフォニックな感じは、あえて薄めにしてあります。この世界観の中ではポップになっているしょうね。
榊原 私は作詞も3曲目で、なかなか同じ作品のコンセプトでこんなにも作るなんてことは滅多にないので。ファンディスクとか番外編のようなプラスアルファしたところの曲だったらあるんですけど、まったく同じ世界観のゲーム主題歌に向かって詩を書くのがもうプレッシャーで、自分が中二ではないというのもあって(笑)、とにかくギュウギュウに絞りながらやっていました。それは「Jubilus」辺りから結構ヤバいと感じていました(笑)。
与猶 何回同じ発注で曲作ってるのかっていう話しましたもんね(笑)。
榊原 最初に全力出しちゃっていますから(笑)。結局、その後も全部全力を出すしかなかったんですけど(笑)。でもちゃんと与猶さんのアプローチの変化がわかったんです。同じテイストなんですけど、ちょっと違う攻め込み方だなというのは感じていました。向かう先は同じなんですけど、メロディに対して心地よい言葉の乗り方や盛り上がり方だったりを詰め込んだら、なんとか出来ました。ほぼイントロサビ始まりなので、そのテイストもこれまでなかった。そういうことを感じ取りながら詩をつけたので、ちょっと違う角度になっていた点は凄く助かりました。
若井 演奏は十分難しいよ(笑)。
榊原 そこは相変わらずで(笑)。歌としてはまた阿吽の呼吸でいい感じになりました。
若井 榊原さん得意のドイツ語タイトルでね。
榊原 そう、これ歴代音楽用語のタイトルなんです。だからいつも音楽用語ばかり調べています(笑)。ゲーム自体が“学園伝奇バトルオペラADV”だからオペラで歌劇で音楽だよなって。意味もちゃんとあって、キャッチーなタイトル。1語でインパクトがあるものと詩の方向性と意味が合っているものを探します。主題歌だなっていうキャッチーな単語と意味を照らし合わせてるんです。
若井 ライブでやって思ったんですけど、榊原さんの歌はね、ハードロックとクラシックを合わせた音楽に合ってるんですよね。声優さんの仕事は他にもやったけれども、必ずしも歌える人ばかりというわけではない。演歌とかメタルは近いものがあって、こぶしを回すという概念がある。
榊原 唸るみたいなね(笑)。
若井 なんと、榊原さんは特技が詩吟という。
榊原 ええ(笑)。演歌大好きで声がでかいという。
若井 だからなのか、上手いことこのサウンド感にハマったね。
──スピード感にも乗っていますね。
榊原 リズムを感じないと、ヤバいなと思います。
与猶 詰め込んだフレーズでも上手く歌いこなしてくれるんですよ。
若井 声優の滑舌というのもあるんでしょうね。
榊原 メロディに乗せつつ瞬時に芝居ができるというのは、声優の職業のおかげだと思うんですけど、声優として考えると少し違うのかな。
与猶 たぶん歌い方の解釈が凄いんです。
若井 そう、そのキャラの感じで歌おうというものより、作品のために歌おうとしているのもだいぶ違うよね。
榊原 たしかに。私はいろんな声で歌っているんですが、“榊原ゆいってこの声だよね”って言われることもイメージもあまり無いんです。曲に合わせて、曲として歌うというコンセプトで活動しているので、ある意味全ての曲に合わせて演じているのかも。
磯江 榊原さんってレコーディングも早いんですよ。
与猶 1時間位で終わっちゃいますね。
榊原 テイク選びまでやってハモリやコーラス録っても2時間半くらいで必ず終わりますからね。
磯江 僕はせっかちな方なんですけど、それでも全然ついていけない(笑)。
──本読みする感じで入れちゃってるんですか。
榊原 私、練習していかないです(笑)。
若井 出た(笑)。
榊原 与猶さんの曲に関しては作詞しているから仮歌も入れてあるので、それで終わりです。あとはスタジオに行って本番。家で声を出して歌ってみるっていうことはあまりしないですね。まぁ、ちょっと変わってるんでしょうね(笑)。
若井 普通は凄い練習してきて本番に臨む人が多いと思うんでしょうけど。
榊原 人によると思うけど、基本は一週間前に曲が来てガッツリ練習してレコーディングするという感じなんだろうね。最悪、レコーディングの前日にデータが来ても全然平気だったり…(笑)。
若井 まあでも、ちゃんと歌うし早く終わるから、皆文句は言わない(笑)。
榊原 マイク前で、マイクに入った自分の声をヘッドホンで聴きながらその環境でデリケートな作業をするので、家での空気に乗った声で歌ってもなんだかなって思うんです。イメージだけはしていくんですけどね。息づかいとか、そういうものを聴きながら現場で固めていくっていう手法です。
与猶 演奏家でも本当に上手い人は手は動かさないで、脳内でイメージトレーニングをするという人も結構いるんです。それで十分練習になる。
榊原 こう歌おうとかキメキメで行くよりも、その場で出したものを大切にしたい。
若井 海外のミュージシャンはリハーサルにも来ないで、いきなり歌っちゃう人もザラにいるんです。すべてが用意されている場所に行って“さあやろうか”みたいな。それに近いのかも。
──榊原さんは喉も強そうですね。
榊原 喉、強いんですよ。おかしいくらい(笑)。一日に74曲歌ったこともあります。
若井 その後、打ち上げ行って、カラオケにも行ったとか。
榊原 深夜二時までいっちゃいました(笑)。
──ところでエンディングは優しい感じの曲ですね。
榊原 「Uber den Himmel(ユーベルデンヒンメル)」と「Sunctus(サンクトゥス)」。私の女神のキャラをマリィの声をイメージして表現しています。
与猶 自由にやらせてもらっています。
榊原 どちらも違ったエンディングなんですけど、バッチリとハマっていると思います。
若井 こういう振り幅はいいですね。ゲーム作曲をやって来た人ならではの感触がある。
榊原 やっぱり与猶さんが音楽の軸にあるので、大変だとは思うんですけど、やっぱりEDも与猶さんが作なきゃならない。OPEDに作品としての統一感がある上で与猶さんならではの引き出しをいろいろ見せている。そこにファンの人はグッとくるんじゃないかなと思います。
──アニメファンでもエンディングが好きな人も多いですよね。
与猶 その気持ちわかります。
若井 ゲームのエンディング曲はプレイ時間が長いから余計に重要だよね。
榊原 ルートがいくつかあるなかで、すべてのエンディングに合ってないといけない。ハッピーエンドじゃないところもあるし。
若井 アニメは受動的だと思うんだけど、ディエスはゲームであり読み物なので、こちらから能動的に進めていくから没入感が出て来る。そして最後に自分で終わりを見るわけだから、その時に鳴ってる音楽というのは、より重要になるでしょうね。
磯江 やっぱり思い出が積み重なっていきますから。
榊原 ただ、残念なのはライヴで歌う機会がなかなか無いんですよね。やっぱり主題歌の方にいっちゃうんですよね。歌いたいんですけど。
若井 次のライヴでやろうよ。
榊原 出来れば歌いたいですね。
──<ゆいフェス>ではいかがですか。
榊原 主題歌はいきますよ。セトリによってはもしかしたら…エンディングも入れられたらいいな。
──そして最新曲「Kadenz(カデンツァ)」ですが。
榊原 メチャクチャ評判良くて、本当にこれは嬉しいです。いい感想しか聞かないんです。ありがたい!
若井 総力を結集するとはまさにこのことだから(笑)。
与猶 これまで期間もありましたから。その間に溜めたアイデアも全部入れて。同時にこれまでの作品には負けてはならないというプレッシャーもありました。
榊原 自分との戦いですよね(笑)。
与猶 毎回、ずっとそうなんですけど、今回に限っては完全勝利をしなければならないという(笑)。
若井 与猶さんと初めて会って、他ではお目にかかれないものをやれたらいいんじゃないかっていう話をさせていただいて。他はレコード会社が製作委員会に入っているわけですよ。これはクラウドファンディングなので、皆のものだから、ゲームの世界観をそのまま放送に持ち込むことが出来るという。
榊原 この企画に関しては、クラウドファンディングで実現したアニメ化だし、他のアニメの環境に比べたら、いわゆる“大人の事情”っていうのが薄めなんですよね(笑)。なので、メーカーさんのOKさえ出れば、私達がいいものを作ろうと思ってやった。
若井 あの世界観を茶の間にぶつけることができるというのは最高ですね。
与猶 テンション上がりますよね。
若井 与猶さんの世界を自分がアレンジするということに、実は結構自信があったの。だから全力でお茶の間にぶつけるというのが嬉しい(笑)。
榊原 深夜の一時にね(笑)。
若井 そのテスト的な意味で「Einsatz」の2017年バージョンがあったんだけど、これもやってよかったよね。全力尽くしすぎた感もあるんだけど(笑)。これは凄かったと思うよ。与猶さんと磯江さん、二人の上モノの組み込みとか大変だったと思う。さっきも話に出たけど、フレーズですべてが進んでいくので、すり合わせる部分がね。どれが要らなくて、どういう弦を積んで、どういう音色にしていこうかとかっていうのをすべてお二人でやったんですよね。
磯江 すべてにオーケストラを入れるわけにもいかないですし、とはいえ生楽器も入れたい。音色のこととか与猶さんに教わったりしてね。データのやりとりで進んでいくから、素材に何を使っているとか全部わかるんですよ。そこは凄く勉強になりましたね。
若井 幸いにも磯江さんがね、スタジオをやってらっしゃるので、そこでバイオリンとかチェロとか、クワイヤ(※教会の聖歌隊)とか録ったりね。ラテン語の作詞とか、ああいうこだわりがね、グッと来ちゃう。とはいえ時間の都合でベースを生で録れなかったりとか、いろいろあったんですけどね。
与猶 優先順位はありますから。
若井 リズムアレンジをする時も、ハードロックであることとクラシックとしての作りを意識しました。あと、アニメ作品としてどうなのかということもね。
榊原 初めて触れる人にも受け入れやすく中二すぎない。一見さんお断り、古参カモン、みたいなことにならないようにしないといけない。新しくアニメから入れるような間口がありつつ、昔からのファンがこれだねって言ってくれるものを作るのは結構難しかったんじゃないですか。
与猶 作曲に入る前に打ち合わせで、鼻歌で歌えるようなポップな曲であることと、背景にはゴージャスなクラシカルなサウンドもありつつ、本格的なメタルのサウンドも入れたいということで始まったんです。ちゃんと見事に収まったなあと思いますね。
榊原 アニメ化ならではの試練がまたここで待っていたわけで(笑)。皆の脳みそを持ち寄りつつ、もう4曲目ですよ(笑)。昔から挨拶代わりにメーカーさんに「アニメ化なりませんかね」みたいなことを言っていたなかで、本当にアニメ化になったわけです。今までよりもいちばんガッツリキメなきゃならないところで、でも4曲目だからどうしようって気持ちも当然ありました(笑)。
与猶 始める前は不安でした。どうなるんだろうっていう。
榊原 何回か話しましたよね。「4曲目…ヤバくないですか」って。
与猶 なんも出ねえ、みたいな(笑)。
若井 今回ね、ギター始まりなんですよ(笑)。緊張しますよ。スライドからだから、カウントがない。レコーディングでは自分がグッとくるまでやってやろうと思った(笑)。あそこは千本ノックですよ。自分がいいと思うところまで、そのタイミングまで何度もやった。データも見ないから。
榊原 わかるわかる。
若井 あとね、皆聴いてもわからないと思うんだけど、サビの頭の部分。(小節カウントの)1で入らないで0がある感じなんだよ。アニメ主題歌のサビだから、そこだけは死ぬ気でこだわったし頑張った。アレンジでもオブリガードとか入れるべきだと思ったものは全部入れて。多かったら削ってもらえばいいし。後は磯江さん頼むよ、と(笑)。
与猶 爆弾が順々にまわっていくような(笑)。
若井 与猶さんが絶対に入れたいストリングスとかあるわけで、こっちもどこも妥協したくなかったので、与猶さんと相談しつつ詰めるだけ詰め込んで。とはいえヴォーカルも聴かせたいわけで。
榊原 もういいんじゃないですかって言う人が誰もいないという(笑)。最終的なミックス聴かせてもらって、皆がめっちゃ頑張ってるのがわかるんですよ。まわりが立ちすぎるとボーカルが弱くなっちゃって、歌としてのパワー感がなくなってしまうので、ちょっとヴォーカルのバランス調整も何度かさせてもらって。バックが前に来ているなかでも歌が埋もれないところのバランス。
与猶 聴いて欲しい音が鳴っている分、いろいろ配慮がね。せっかく作ったのにどんどん消えていっちゃう。
若井 オーケストラの譜面とか見るとわかるんだけど、弦ってどこも妥協したくなくなってくるわけですよ。この曲の場合、特にフレーズで組んでるから。でもリズムが立ってないとロックとして成り立たないし、歌がないと主題にならない。そういったこと全部、磯江さんに託された(笑)。
榊原 0.5デシベルづつヴォーカルのパターンを出してもらったりとか(笑)。いちばん大変だったのが、磯江さん(笑)。
磯江 凄く良いテイクがたくさん集まってくるし、楽しい時間を過ごしましたよ(笑)。
榊原 いいんですよ、もう言っちゃっても(笑)。
磯江 (笑)。バイオリンも録ってれば、チェロもコーラスもギターも想像以上のものが集まってきて。
与猶 それを同じ時間に詰め込むというのもムチャクチャなんですよね。
榊原 皆、こだわりがあるから(笑)。
若井 音楽は体積があって絶対量があるからね。奥行き、横幅、高さ、それをどう上手く使うかっていうところが試される。3ピース、4ピースのバンドサウンドだったらいくらでも出来るんだけど、この曲はもう凄く難しい(笑)。
与猶 どれも消せない要素なんですよね。リリカルな歌があって、オーケストレーションもキッチリあって、バンドサウンドも聴かせなきゃならない。それもなんちゃってじゃなくて、バッハっぽいフレーズなどをいっぱい入れてるなかでやっているので、全体としてふわっと雰囲気が出てるだけでは、やっぱり納得できなかったんです。
若井 そう、それが素晴らしいと思った。
榊原 あと今回はアニメに向かって、リズムの跳ねが多くて、これまではガツガツとした怒涛感があったんですけど、これはポップな跳ねがあるから凄く新鮮で、その辺も活かされたんじゃないかなと思います。
与猶 勢いがありますね、サビの入りとか。これまでにはなかった。クラシカルな雰囲気を残しつつそれを入れるというのはチャレンジでした。
榊原 作詞をするときも、後で自分が歌うことを今回結構考えました。“歪んだ”とか“捻れた”なんですけど、音符が下に落ちたときの詩は絶対に濁音にしようと思って。ギャッと力が入るように、おいしくできるように(笑)。
若井 “が”とか“だ”はイキやすいからね。
榊原 いい跳ね感のところでちゃんと乗るやつを考えたんです。
若井 アレンジもダイナミクスというものに気をつけた。
榊原 うん、サビの頭は重要だなと今回とくに感じましたね。ファンもTwitterで“ゆっがんだー”って書いてくれるんです、アニメのOP観ながら(笑)。そこグッときてるんだなって、そこ結構印象に残るんだなって思いました。
与猶 サビのフレーズは曲のイントロで聴かせてるんですよね。
榊原 今回、「Kadenz」が独特だなと思ったのは、2番のAメロのアプローチが変わってるんですよね。そこは今回カッコイイところのひとつでもあるなと思った。
与猶 サビとかポップなパターンって決まってると思うんです。そこでオリジナリティを出すよりも、わかりやすいもので作ったほうがいいと思って。そこに繋がるブリッジの部分で実験的なことをやっても許されるような感覚が僕の中にあって。何が起こるんだろうって揺さぶっておいてサビに繋がって安心するということがやりたかった。
──今話した部分は、CD発売しないと聴けないんですよね。
榊原 そうです。TVサイズとは違う「ヤだ何、こんなことしてたんだ!」みたいな(笑)。
若井 1番でも盛りだくさん(笑)。よくあのTV尺にこれが収まったなと思う。
榊原 TVサイズもサビ最後「砕けー」の伸ばし所をちゃんとフルバージョンの最後のサビの長く伸ばしている所を使ってくれていて、それが嬉しかった。そういう細かい所を妥協せずに作っていただいているので信頼できるなと思います。いろんないいものが集まって出来上がったのが『Dies irae』で、音楽もキャストもスタッフも全部が変な運命に導かれていて。メーカーさんとも話してたんですけど、『Dies irae』っていうものが運命を動かしている感じがありますね。選ばらし者たちが、『Dies irae』向かって集まっているという。
与猶 途中から自分の意志じゃない(笑)
榊原 そう、本当に『Dies irae』の意志なんですよ。不思議な作品ですね。
若井 自分がソロライヴをやったときも「怒りの日」をオープニングにしていたくらいで。劇伴も含めてハードな曲はメタル・シーンで真っ向勝負しても簡単には負けないよね。これだけやっても十分やっていけそう。
──海外でも受けそうですね
榊原 アニメも海外で人気らしいんです。海外展開もしてるんで、海外でライヴやりたいな(笑)。
若井 英語で歌わなきゃ(笑)
榊原 いや、そこはオリジナルで歌おうよ(笑)。
──今は動画サイトですぐに世界に広まりますから、無い話ではありませんね。
榊原 そうですね! 行ってみたいな。
若井 ジャンル関係ないからね。歌ってる人はメタルの人じゃないけど本物のメタルになったからね。出来たものがどうかっていう話だから。作品に寄せていくことの凄さがそこまできたって感じだね。
榊原 何の因果か、凄いものになったなと思います。そして次にうちらが掲げている夢が、劇場版までいきたいなって。
──おおっ、そこですか!
榊原 大きなスクリーンでバキバキの爆音が出てきたら最高でしょう。クラウドファンディングの特典で試写会があったんですよ。私も出演したので会場で観たんですけど。とにかくまあ、いいですね。あの大きなスクリーンで観る『Dies irae』は。試写会であの音楽を聴いた印象が忘れられなくて。いつか劇場で観たいですね。
若井 それは是非やりたいよね。
榊原 幸いにもゲームなので、色んなルートがありますから(笑)。それぞれのルートで役の持ち回りも違ってくるんですよ。劇場版まで辿り着けると嬉しいなと思って。
与猶 またOP主題歌作らないと(笑)。
榊原 (笑)! もちろんやりましょう!
──その前に爆音で聴けるライヴがありますね。
榊原 演奏の再現力にかかってますね。ちなみにヴォーカルは大丈夫ですけど。
若井 演奏、どうするんでしょうね。
磯江 20人くらい必要かもしれません(笑)。
榊原 バンドデイは初日の19日です。2日目はダンス中心なんですけど、「Kadenz」は両日やりますから。あの早い曲にダンスの振り付けどうしようか悩みますが(笑)。ライヴもCDも併せて楽しみにしていただけたら。
──それでは最後に皆様から一言づつお願いします。
磯江 劇場版まで続いていけると本当にいいかなって思います。素晴らしい作品に関われて光栄です。ありがとうございます。
若井 せっかくだからね、この先もっと面白いこと考えられるかなと思いますね。いろいろ展開にも期待していただきたい。ライヴも楽しみにしていただけたら。
榊原 10年っていう長い年月のなかで、またここにきて進化している音楽に対して良さを味わってもらいたいですし、今までのファンの人も新しい人達にもこの世界観を楽しんでもらいたいので、たくさんの人に広めてもらえたらなと思います。「良い曲あるよ!」と拡散していただきたい(笑)。生のライヴはめちゃくちゃいいので、ステージに立っている身としては、皆さんの掛け声とか、ノリが入って完成した景色になっていると思うんです。だから、一緒に声を上げに来ていただけたら嬉しいなと思っています。 1月19日(金)20日(土)渋谷WWWXにて2Daysライブとなる「Yuifes★LOVE×Live2018」!両日とも「Kadenz」歌いつつ、歴代『Dies irae』主題歌など歌います!生は迫力が違いますよ(笑)!ライブは本当に来て頂きたいです!チケット販売中なので是非!そして、12月13日発売の榊原ゆい11thアルバム『Next Door』にも「Kadenz」が収録されていたり!まだまだ『Dies irae』はいろんな形で盛り上がっていきます!よろしくお願いします!って、全然一言じゃなかった(笑)。
与猶 シリーズ通して作ってきて、僕がそもそも持っている音楽性とはもしかしたら違ったのかもしれないですけれども、すでに僕の一つのマスターピースになりつつあるので、ぜひとも聴いてもらいたいですし、もっとこのチームで作れたらいいなと思うので、これからの『Dies irae』を是非とも応援してください。
文:倉田真琴(MetalMasterMetal編集員)
■関連サイト
TVアニメ「Dies irae(ディエス・イレ)」公式サイト